「無垢材」と「合板」の違い
木の使われた方は大きく分けると「無垢材」と「それ以外の木質製品」の2種類になります。
無垢材とは、伐採した木を乾燥させて反りなどを取り除いた木材を指します。
一方、木質製品の代表と言えば合板になります。
合板は薄くした板を奇数枚、繊維方向を90°ずらして互い違いに重ねて接着剤で接着した板の事です。
天然木無垢材の特徴
無垢材の木目はバラバラで均一性がないのが特徴です。
しかしこれが無垢材を使う最大の理由で、木によって個性的な木目が出てきますし、色合いも微妙に異なってきます。
長年使用すると紫外線によってあめ色に変化してきて、より一層味わい深い木の風合いが出てきます。
天然木の無垢材を使用したベッドフレームは、湿度が高くなると余分な湿気を吸収して、乾燥すると吐き出す調湿効果に優れています。
また、無垢材では天然の香り成分などが含まれているので、森林浴をした時のような清々しい気持ちになる事が出来ます。
合板の特徴
一方、合板の木目は均一になっています。
同じ木を何十枚とスライスしたものを接着して使用するので、同一ロットの合板を並べる事で均一性をとる事が出来ます。
無垢材に比べると大量生産がしやすいので、値段を抑える事が出来るメリットがあります。
ナチュラル・天然木ベッドの種類
ナチュラルベッドには合板にナチュラルテイストの塗装を施したものもありますが、人気が高いのは天然木の無垢材を使用して自然の風合いを生かしたベッドです。
天然木の無垢材を使用しているナチュラルベッドは、使用している木材の種類によって性質や色合いが変わってきます。
ベッドに使用されている主な天然木の種類には、
- パイン材
- 桐
- 檜(ひのき)
- 杉
があるので、それぞれ特徴をご説明したいと思います。
パイン材
ナチュラルベッドの中でも一番使用頻度が高い木材として、「パイン材」があります。
パイン材は針葉樹に分類されていて、広葉樹に比べると幹の機密性が低く、柔らかくて軽いのが特徴です。
見た目や質感がソフトなので、寝室を優しい雰囲気にしたい人におすすめの木材となっています。
パイン材は柔らかいので傷が付きやすいデメリットがありますが、逆に言うと赤ちゃんや小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、ぶつかった時に衝撃を和らげてくれるので、安全性が高い木材とも言えます。
北欧テイストのベッドや、カントリー調のベッドでよく見かける木材となっています。
桐
桐は、日本では古来より琴や下駄の材料として使用されていて、女の子が生まれた時に庭に桐の木を植える習慣がありました。
成長が早い桐は女の子がお嫁に嫁ぐ時には、材木として使用出来るまで成長しているので、その桐を使用してタンスを作り嫁入り道具として持たせていました。
桐には天然の防虫成分である「タンニン」が含まれているので、ベッドでは虫よけの効果も発揮してくれます。
また、吸放質性に優れている木材として有名で、湿度が高い時には寝具の余分な湿気を吸い取り、乾燥している時は収縮して通気性を良くしてくれるので、ベッドでは「すのこ」の材料として適しています。
桐にはそれ以外にも、
- 軽い
- 水汚れに強い
- 断熱性が高い
- 熱伝導率が低い
- ホルムアルデヒドを含まない
と言った特徴があります。
大多数の木材はシックハウス症候群であるホルムアルデヒドを含んでいますが、桐は含んでいないので赤ちゃんやアレルギーをお持ちの方におすすめの木材です。
檜(ひのき)
檜は昔から建築材料として用いられるなど、日本の文化に根付いている木材の一つで、耐久性と保存性に優れています。
また檜には天然の香り成分「カジノール類」があります。
カジノール類は、檜に特有なリラックスする香りのもとになっている化合物です。
今でも旅館などに宿泊すると「檜風呂」を置いてあるところがありますが、檜特有の香りがして落ち着くのは、この香り成分のおかげです。
リラックス効果以外にも檜には、
- 殺菌効果
- 防虫・防ダニ効果
が含まれているので、カビやダニ・虫がつきやすいベッドには最適な材木の一つと言えます。
杉
杉は古くから日本を代表する木材として使用されていて、まっ直ぐに育つ杉は柔らかな材質ですが狂いが少ないので、非常に加工しやすい木材となっています。
割裂性が良いので、薪割りのように割ることによって角材から板材までを作ることができます。
杉材はが柔らかいので、へこみ等の傷がつきやすく、強度を必要とする建築物にはあまり使用されませんが、ベッドの一部には使用されています。
杉の香り成分には、「δ-カジネン」や「β-オイデスモール」などのセスキテルペン類があり、心地よい芳香の他、檜と同様に抗菌作用もあります。
ナチュラル・天然木ベッドまとめ
ナチュラルベッドの中でも人気が高いのは、無垢材の天然木を使用しているもので、種類としては「パイン材」「桐」「檜」があります。
北欧ベッドなどにはパイン材が頻繁に使用されていますし、すのこの材料としては桐を多く見かけます。
また、香り成分が含まれている檜や杉は、リラックス効果と共に防虫効果もあるので、ベッドの材質としては最適と言えます。