「睡眠時間は十分なのに疲れが取れない」
「最近肩こりや腰痛がひどくなった気がする」
「何もしていないのに体の節々が痛い」
といったことがあてはまる方は、多いのではないでしょうか?
そういった方は、マットレスの寿命に注意が必要です。
マットレスは見た目が変わらないので長年使い続ける方も多いですが、内部は間違いなく劣化して睡眠の質を下げる要因となります。
そこでこの記事では、高級マットレスとして人気が高い「シモンズ」「無印」「フランスベッド」「日本ベッド」に加えて、ウレタンマットレスやベッドフレームの寿命についてご説明します。
マットレスの寿命
ベッドフレームはひび割れを起こしていなければ、10年、20年と問題なく使用出来ます。
しかし、マットレスはそのようにはいきません。
毎日、私たちの体重を支えているマットレスは素材や使用頻度・時間にもよりますが、長くて10年が寿命といわれています。
あくまで「長くて」10年なので、多くの場合はそれよりも短い期間で寿命を迎えます。
マットレスの人気メーカーは、
- シモンズ
- フランスベッド
- 無印良品
- 日本ベッド
の4社があるので、それぞれの寿命をご説明いたします。
シモンズベッドの寿命
シモンズ(Simmons Bedding Company)は1870年アメリカで誕生した高級ベッドメーカーです。
現在ではアメリカだけでなく世界中に寝心地の良いベッドやマットレスを販売していて、高級ホテルに数多く導入されています。
シモンズはポケットコイルマットレス
シモンズで製造されているのはコイル一つ一つが袋に入って独立している「ポケットコイルマットレス」ですが、世界中から注目を集めているのが【ビューティレスト】マットレスです。
高さ6.5インチ・コイル線径1.9mmを使い、中間(ミディアム)程度硬さのポケットコイルです。
ホテルへの導入も多い定番のポケットコイルマットレスです。
マットレスの硬さは好みが分かれますが、【ビューティレスト】はベッドパッドや、薄めのウレタンマットなどを重ねて自分好みに調整しやすいシンプル構造です。
そんなシモンズのマットレスの寿命は使用状況や頻度、寝室環境により異なりますが、一般的にホテルで使用している場合は8年~10年が目安です。
一般家庭でのマットレス交換の目安は約8年と考えて良いでしょう。
フランスベッドの寿命
日本でベッドをいち早く流通させたのが、フランスベッドです。
名前からフランスのメーカーと思っている人もいるかもしれませんが、東京都新宿区に本社を構えるれっきとした日本のメーカーです。
そんなフランスベッドには、
- マルチラススーパースプリングマットレス
- ゼルトスプリングマットレス
と言った高品質なマットレスがあります。
フランスベッドのマットレスは高密度連続スプリング
フランスベッドのマットレスは、「高密度連続スプリング」が使われているのが特徴です。
反発力が強くポケットコイルマットレスのように点で体を支えるのではなく、面で支えるためマットレスのたわみやへたりを抑える事が出来ます。
そのためフランスベッドのマットレスは、寿命が10年と長持ちする事で有名です。
無印ベッドの寿命
寝具だけでなく、食品や日用品と幅広く取り扱っている無印良品はシンプルなデザインで良質なベッドやマットレスが特徴です。
無印のマットレス
無印良品のマットレスには通常のコイルマットレス以外に、ノンコイルマットレスと言ってベース部分に天然ゴムの「ラテックス」を使用しているマットレスがあります。
ラテックスマットレスの寝心地は柔らかいものの沈み込みすぎず、高反発マットレスのように弾力性がある独特の寝心地になっています。
無印良品のベッドの寿命は、コイルマットレスで約8年、ラテックスマットレスで5年~8年と言われています。
日本ベッドの寿命
日本を代表するベッド・マットレスメーカーである日本ベッドは、は1926年の創業から現在に渡るまで、質の高い眠りを実現するために日々製品開発に取り組み続けています。
日本ベッドはポケットコイルマットレス
日本ベッドのマットレスは、袋に入って独立しているコイルを高密度に組み入れた「ポケットコイルマットレス」です。
ラインナップは、絹のようにきめ細かく体を支える「シルキーポケットマットレス」と、ほどよい硬さでしっかり体を支える「ビーズポケットマットレス」の2種類があります。
このうちシルキーポケットマットレスに使用されているコイルの数はシングルサイズで1200個と、シモンズの倍以上になっている高級マットレスです。
どちらも体を点でサポートするので、身体のS字ラインにしっかりフィットするように出来ていて、ソフトな寝心地が特徴です。
コイルの形状を安定させるために熱処理をするなどしていますが、部分的に荷重がかかるので、日本ベッドの交換目安は8年程度となっています。
ウレタンマットレスの寿命
ウレタンマットレスには、低反発と高反発の2種類があります。
ウレタンマットレスの硬さはN(ニュートン)で表されますが、100N未満と反発力が少ないマットレスを「低反発マットレス」、100N以上と反発力が高いマットレスを「高反発マットレス」と言います。
一般的に高反発ウレタンマットレスの方が寿命が長い傾向にあり、3~5年年程度持つと言われています。
一方、低反発ウレタンマットレスの寿命は2~3年程度と短く、すぐにへたってしまうので注意しましょう。
マットレスの保証期間
マットレスには保証期間が設けられていますが、その期間はマットレスの種類によって異なってきます。
スプリングマットレスは、「ボンネルコイルマットレス」「ポケットコイルマットレス」「マルチラススーパースプリングマットレス」「ゼルトスプリングマットレス」の5種類が有名ですが、それぞれの保証期間は
- ボンネルコイルマットレス:3年~5年
- ポケットコイルマットレス:3年~5年
- マルチラススーパースプリングマットレス(フランスベッド):5年
- ゼルトスプリングマットレス(フランスベッド):5年
となっています。
但しこの保証期間は、通常使用範囲で明らかな異常が発生した時にしか適用されません。
マットレスが劣化する原因
マットレスの内部はスプリング構造ですが、寝ている時は腰部・臀部に約半分の荷重がかかってくるので、体重が1番長くかかっている中央部からスプリングのヘタリが現れます。
その結果、部分的に凹凸ができたままの状態で寝続けることになります。
これが背骨をゆがませてしまい、最終的に肩こりや腰痛の原因となってしまいます。
また凹凸があるため寝返りを打ちにくく、しっかり寝たつもりでも疲れが取れないということになってしまいます。
子供のマットレスは成長に影響を及ぼす
これが成長期にある小さなお子様の身に起こると、成長ホルモンの分泌を抑制してしまい成長自体を阻害する恐れもあります。
特に注意すべきは「おさがりのベッド」です。
【おさがり】は長い年月使用している事が予想されるので、使い続ける時は何年目なのかを確認しましょう。
一見大丈夫に見えているマットレスも、10年毎日使用したマットレスのスプリングは、寝返りに必要なスプリングのしなやかさがなくなり、内部の詰め物も潰れて身体当たりが強くなり血流の妨げになるので注意が必要です。
>>幼児・子供用マットレスは成長ホルモンに影響が!選び方とおすすめをご紹介!
マットレス買い替え時期の目安
では次に、マットレスの買い替え時期を判断するポイントをご説明します。
マットレスにはスプリングやウレタンなど使われている素材はさまざまですが、寿命を判断するポイントとしては、
- マットレスの凹凸
- きしみ音がする
- スプリングの感触がある
- カビが生えている
の4つがあります。
シーツやベッドパッドの上からだとわかりにくいので、いったん外して確認してください。
1.マットレスの凹凸
1つ目は、マットレスに凹凸があることです。
最もわかりやすく、なおかつ重要なポイントです。
最も凹みがあらわれやすいのは、1番体重がかかっているお尻と腰のあたりです。
スプリングマットレスの中には両面使用できるタイプもあるので、定期的に裏返す事で凹みを防止する事が出来ます。
マットレスのローテーションをしても凹みが気になる場合には買い替えの時期と判断してよいでしょう。
>>マットレスに凹みが出たら寿命の証拠?ヘタったマットレス4つの対策方法
2.きしみ音がする
2つ目は、マットレスから「ギシギシ」と言った、きしみ音が聞こえる場合です。
フレームではなくマットレスから音が聞こえる場合、スプリングが錆びたり歪んでいる可能性が高くなります。
そのためこちらも買い替えのポイントとして挙げられます。
>>ベッドのきしみ音は危険のサイン!きしみの対策方法&きしまないベッド
3.スプリングの感触がある
3つ目は横になった時に、スプリングの感触があることです。
2つ目のきしみ音と同時に起きていることが多いポイントです。
またきしみ音は聞こえなくても、ばねの感触が背中でわかる場合は、マットレス表面のウレタンやフェルト素材が、すり減っていると考えられます。
最悪の場合、ばねが布地をつき破って飛び出す可能性もあります。
これらが当てはまる場合、買い替えをおすすめしますが、分厚いベッドパッドを敷く事で一時的に改善する事も可能です。
4.カビが生えている
人は寝ている間にコップ一杯分の汗をかきますが、その湿気はマットレスの裏面と床板の間に溜まってきます。
そのため定期的にマットレスを立てかけたり、除湿シートやベッドパッドを敷くなど湿気対策を行わないと、カビが繁殖する事があります。
カビは人間の皮脂やフケが好物ですが、同時にマットレスの繊維も餌にします。
そのため、表面の黒ずみだけ除去しても、内部のウレタンやフェルト、あるいは即生地などにカビが残るケースがほとんどです。
一度カビが生えたマットレスは、クッション性が弱くなったりスプリングが飛び出すだけでなく、喘息などのアレルギーの原因になるので買い替えた方が良いでしょう。
長寿命のおすすめマットレス
マットレスがへたってきて、買い替えを検討されている方は、長寿命なマットレスを選ぶのがおすすめです。
特に先述した「フランスベッド社」製マットレスは、数あるメーカーの中でも長持ちするので有名です。
マルチラススーパースプリングマットレス(フランスベッド社)
53,976円~
マルチラススーパースプリングマットレスは、寝心地だけでなく衛生面や健康、環境にも配慮してある高品質マットレスです。
多くの一流ホテルでも使用されていて、抗菌・防臭・防ダニ加工が施された不織布を編み込んでいるので、カビやダニを寄せ付けず清潔な環境で使う事が出来ます。
高反発マットレス高耐久性310『エイプマンパッド』
14,134円~
本来であればコイルマットレスの方が長寿命なのでおすすめですが、二段ベッドやロフトベッドに使用する場合、分厚いコイルマットレスではサイドガードを飛び越える恐れがあります。
そんな時には薄くても快適な寝心地を得られるウレタンマットレスを敷くのですが、中でもエイプマンパッドは、密度が30Dと価格と耐久性のバランスが取れているのでおすすめです。
耐久試験では5年使用しても2%しかへたらない結果になっているので、通常のウレタンマットレスよりも長く愛用する事が出来ます。
ベッドフレームの寿命
「マットレスに寿命があるなら、フレームにも寿命があるのでは?」と思われるでしょう。
しかしベッドフレームは、鉄やスチールといった金属、木材などが主に素材として使われています。
そのため、やわらかいマットレスとは違って変形したり凹凸が出来たりという事がほとんどないため、基本的に
- 大きな傷が出来た
- 床板が割れた
- フレームが腐った
- 部品が壊れた
と言った事がない限りは使い続けることができます。
>>割れやすいベッドの板の特徴と床板が割れた時の修理・交換方法
ベッドフレームの寿命は10年以上
ロフトベッドやパイプベッドを除く一般的な木製ベッドフレームは、丁寧に使用する事で10年以上使い続けることが出来ます。
ネジは5年周期で交換する
ただし、フレームを固定しているネジ自体は経年劣化や、湿気で錆びたり緩んだりしてしまうことがあるので、定期的に確認したりネジを取り換えたりする事が必要です。
使用環境にもよりますが、ネジは5年周期で交換しておくと怪我をするリスクを大幅に減らす事が出来ます。
またネジの増し締めは半年に1回程度行う事で、突発的に床板が底抜けをすると言った事故を無くすことが出来ます。
パイプ製ベッドの寿命は5年
また、パイプ製ベッドの寿命は、木製ベッドよりも短い傾向にあります。
スチール自体は木材よりも強度がありますが、パイプは中が空洞になっているので、ベッド全体の強度としては低くなっています。
一般的に5年程度の寿命と考えるのが無難です。
ロフトベッドの寿命は5年~10年
また、ロフトベッドのように高さがあるベッドも寿命が短くなっています。
二段ベッドであれば下段にも床板やフレームが入っているので長持ちしますが、ロフトベッドは上段しかフレームがないので、寿命は5年程度となります。
そのため、長持ちするロフトベッドを選びたい時には、木製や高さが低いロフトベッドにしましょう。
マットレス寿命まとめ
寿命を迎えたマットレスを使い続けると、睡眠不足からくる心身の疲れ、腰痛や体調不良を引き起こします。
慢性的な睡眠不足や肩こり、腰痛にお悩みの方は、1度ご自分が使われているマットレスの状態を確認してください。
シモンズ、無印良品、日本ベッドのマットレスの寿命は8年程度、フランスベッドは10年程度が寿命となっています。
また高反発ウレタンマットレスは3年~5年で、低反発ウレタンマットレスは2年~3年が寿命なので、それ以上使っている場合には、早めの買い替えをおすすめします。