- 引き出し付きベッドはカビやすい?
- 跳ね上げ式ベッドの収納庫はどう換気する?
- 湿気対策しやすい収納ベッドはどう選ぶ?
結論から言うと、収納付きベッドだから必ずカビが生えるわけではありません。ただし、ベッド下を収納で使う構造では、マットレス裏面・床板・収納庫などの状態を確認し、湿気を長く残さない使い方が重要です。
特に「引き出し付き」「チェスト」「跳ね上げ式」では、湿気を確認したい場所と換気のしやすさが少しずつ違います。大切なのは、対策を10個並べることではなく、①寝室の湿気をためない、②マットレスと床板を乾かす、③収納庫の中を乾いた状態に保つことです。
私はベッドショップオーナーで、睡眠環境・寝具指導士、睡眠・寝具インストラクター、寝具ソムリエの資格を持っています。この記事では、収納ベッドの構造別に「どこを確認し、どう対策するか」を整理し、最後に湿気対策をしやすい収納ベッドも紹介します。
まず確認する3か所
- マットレス裏面:湿り・変色・カビ臭がないか
- 床板:裏側まで湿っていないか
- 収納庫:衣類や寝具が湿ったまま入っていないか
収納付きベッドはカビやすい?
収納付きベッドには、引き出し式、チェスト式、跳ね上げ式などがあります。共通しているのは、ベッド下の空間を収納として使うことです。
一般的な脚付きベッドのように床とベッドの間が大きく開いている構造とは異なり、収納部がベッド下を占めるため、商品によってはベッド下の空気が動きにくい部分ができます。
ただし、「収納付き=カビる」「すのこ=カビない」と単純には判断できません。寝室の温度・湿度、結露、床板の構造、マットレス、収納物、換気・乾燥の仕方などが関係します。
消費者庁のスプリングマットレスの品質表示でも、使用上の注意として湿気を避け、風通しをよくする旨を表示することが定められています。収納ベッドでも、マットレス周辺を乾燥させることは基本です。
消費者庁:スプリングマットレスの品質表示
湿気がたまりやすいのは「3か所」

1.マットレスと床板の間
最初に確認したいのがマットレス裏面と床板です。普段は密着していて見えにくいため、表面がきれいでも裏側に湿気が残っていることがあります。
シーツ交換などのタイミングでマットレスを少し持ち上げ、裏面と床板の状態も確認しましょう。湿りや結露が見られる場合は、そのまま寝具を戻さず乾燥させます。
2.床板の裏側
収納ベッドでは床板の下が収納スペースになっているため、床板の表面だけでなく裏側も確認したいポイントです。
すのこ床板は板の間に隙間がありますが、すのこを採用しているだけでカビを防げるわけではありません。寝室や収納庫の湿気が高い状態なら、乾燥・換気は必要です。
3.引き出し・収納庫の中
収納庫に湿った衣類や十分に乾いていない寝具を入れると、収納内部へ水分を持ち込むことになります。
衣類や寝具は乾いた状態で収納し、ときどき収納物や収納庫の状態を確認してください。除湿剤を使用する場合も、入れっぱなしにせず交換時期や液漏れに注意します。
引き出し付き・チェスト・跳ね上げ式で対策はどう違う?

検索では「収納付きベッド」だけでなく、「引き出し付きベッド カビ」「跳ね上げ式ベッド カビ」のように具体的なタイプで調べる方もいます。ここでは構造別に確認ポイントを整理します。
| タイプ | 確認したい場所 | 湿気対策のポイント |
|---|---|---|
| 引き出し式 | 引き出し内部・床板裏 | 引き出しを開けて状態を確認し、湿った物を収納しない |
| チェスト式 | 引き出し・長物収納・床板 | 収納量だけでなく、点検・乾燥のしやすさを確認する |
| 跳ね上げ式 | 大容量収納庫・床板裏 | 収納庫を開放できるときに内部の状態を確認し、乾燥させる |
引き出し付きベッド
引き出し付きベッドは、引き出しを取り出したり開けたりして内部を確認しやすい商品があります。衣類を詰め込みすぎず、湿りやカビ臭がないか定期的に確認しましょう。
また、引き出しの反対側が長物収納になっている商品では、普段あまり開けない部分も点検してください。
チェストベッド
チェストベッドは複数の引き出しを備え、収納量が多いのがメリットです。その一方で、収納部が多いほど確認する場所も増えます。
チェストベッド特有のカビ・湿気・ほこり対策については、チェストベッドのカビ対策|湿気・ほこりの防ぎ方で詳しく解説しています。
跳ね上げ式ベッド
跳ね上げ式は床板を持ち上げると、ベッド下を大きな収納庫として使えるタイプです。普段は収納庫を閉じて使うため、季節物の布団などを長期間入れる場合は、収納物が十分乾いているか確認してください。
収納庫を開ける際は、ガス圧シリンダーなど商品の機構に従い、取扱説明書どおりに操作します。換気のために無理な状態で固定するのは避けてください。
収納ベッドの湿気・カビ対策は5つで十分
旧来の「対策10選」のように方法を増やすより、役割の違う対策を5つに整理した方が実践しやすくなります。
1.寝室全体の湿気を管理する
ベッドだけ対策しても、寝室そのものに湿気や結露が多ければ乾きにくくなります。窓や壁の結露、室内の湿気を確認し、住宅の換気設備、エアコンの除湿機能、除湿機などを状況に応じて活用してください。
雨天など外気が湿っているときは、窓を開けることが必ずしも除湿になるとは限りません。室内外の状況を見ながら方法を選びます。
2.マットレス裏面と床板を確認・乾燥させる
マットレスを持ち上げられる商品なら、裏面と床板を確認し、湿気が残っている場合は乾燥させます。
「毎週」「月1回」など全家庭共通の頻度を決める必要はありません。梅雨、結露が多い時期、湿度の高い寝室では確認回数を増やすなど、実際の状態を基準にしてください。
マットレスの立てかけ方やローテーション方法は商品によって異なるため、メーカーの取扱説明書を優先します。
3.収納庫には乾いた物だけを入れる
洗濯後に十分乾いていない衣類、使用直後で湿気を含んだ布団などをそのまま収納しないことが重要です。
特に大容量の跳ね上げ式では、季節物を長期間入れたままにすることがあります。収納時だけでなく、衣替えなどのタイミングで収納物と収納庫の両方を確認しましょう。
4.ベッドパッド・除湿シートは補助として使う
ベッドパッドは寝汗や皮脂などがマットレス本体へ直接付着するのを抑え、洗濯できるため日常的な手入れがしやすくなります。
日本製・洗えるベッドパッドなど、使用しているマットレスに合うものを選びましょう。
除湿シートも湿気対策の補助になりますが、吸湿量には限界があります。センサーや取扱表示を確認し、必要なタイミングで乾燥させて再使用してください。
ベッドパッドや除湿シートを敷けば換気・乾燥が不要になるわけではありません。あくまで「湿気をためにくくするための補助」と考えます。
5.収納部分を点検できる状態にしておく
収納スペースいっぱいまで物を詰めると、奥の状態を確認しにくくなります。収納量だけを優先せず、定期的に中を見られる余裕を残しましょう。
カビ対策では「高機能な除湿用品を増やす」ことより、湿っていないか確認でき、必要なときに乾燥させられることが重要です。
カビ対策しやすい収納ベッドの選び方
これから購入する場合は、収納容量だけでなく、購入後に湿気を管理しやすいかまで確認します。
- 床板:すのこなど湿気を逃がしやすい構造か
- 点検性:床板や収納庫の中を確認しやすいか
- 開閉性:引き出し・跳ね上げ収納を日常的に扱いやすいか
- マットレス:持ち上げやメンテナンスができる重量・仕様か
すのこ床板は有力な選択肢。ただし万能ではない
すのこ床板は板と板の間に隙間があるため、全面板の床板と比べてマットレス裏面の湿気を逃がしやすい構造です。
ただし、その下が収納庫である以上、すのこだけを見て「カビにくい」と断定するのは避けます。収納庫の換気や寝室全体の湿気管理も合わせて考えましょう。
「通気性」よりメンテナンスできるかを見る
商品説明に「通気性」と書かれていても、実際の使いやすさは構造によって異なります。ベッドショップの立場からは、床板を確認できる・収納部を開けやすい・マットレスを動かせるといった、購入後のメンテナンス性も重視することをおすすめします。
湿気対策しやすい収納ベッドおすすめ4選
ここでは、現記事で紹介している商品のうち、すのこ床板など湿気対策との関連を説明しやすい4タイプを残します。価格は変動するため、本文では固定せず商品ページで最新情報を確認してください。
すのこ・棚・コンセント付き天然木調ベッドフレーム KASANE
KASANEは、すのこ床板を採用した引き出し式収納ベッドです。引き出し収納を確保しながら、マットレスを載せる床面がすのこになっている点が、湿気対策を考えるうえで分かりやすい特徴です。
照明・宮付き すのこチェストベッド

引き出し収納を複数備えたチェストタイプで、床面にはすのこを採用しています。収納量を重視しつつ、マットレス裏面の湿気対策も考えたい方の候補です。
国産頑丈すのこ跳ね上げ式収納ベッド Long force
Long forceは、床板下を大容量収納として使える跳ね上げ式ベッドです。すのこ床板を採用しており、大きな荷物や季節物を収納したい方に向いています。
跳ね上げ式は収納庫を閉じている時間が長くなりやすいため、収納物を乾いた状態で入れ、開閉時に内部の状態も確認しましょう。
日本製コンパクトすのこチェスト収納ベッド Shocoto
Shocotoはショート丈のすのこチェストベッドです。コンパクトな寝室で収納スペースを確保したい場合に候補になります。
浅型・深型の引き出しと長物収納があるため、それぞれの収納部分を確認できるよう、物を詰め込みすぎない使い方がおすすめです。
すでにカビが生えている場合は「予防」と分けて考える
この記事は、収納ベッドにカビを生やさないための予防・湿気管理が中心です。
すでにマットレス、床板、収納庫にカビが見える場合は、カビの範囲や素材を確認して対処する必要があります。カビ取りや買い替え判断については、収納ベッドにカビが生えたときのカビ除去と再発防止をご覧ください。
収納ベッドの湿気・カビ対策FAQ
引き出し付きベッドはカビやすいですか?
引き出し付きだから必ずカビるわけではありません。ただし、ベッド下に収納部があるため、マットレス裏面・床板・引き出し内部を確認し、湿気を長時間残さない管理が必要です。
収納ベッドはどのくらいの頻度で換気すればいいですか?
全家庭に共通する「○日に1回」という頻度は決められません。梅雨、結露の多い時期、寝室の湿度が高い場合などは確認回数を増やし、マットレス裏面・床板・収納庫に湿りがない状態を目安にしてください。
すのこ床板ならカビ対策は不要ですか?
不要にはなりません。すのこは湿気を逃がしやすい構造の一つですが、その下が収納庫で、寝室自体の湿気が高ければカビのリスクは残ります。換気・乾燥と組み合わせてください。
収納庫に除湿剤を入れればカビを防げますか?
除湿剤だけでカビを防げるとは限りません。吸湿できる量には限界があるため、収納物を乾いた状態で入れること、収納庫を点検すること、寝室全体の湿気を管理することと併用してください。
跳ね上げ式ベッドの湿気対策で重要なことは?
大容量収納庫へ湿った寝具や衣類を入れないことと、開閉時に収納庫・床板裏の状態を確認することです。収納庫の開閉は必ず商品の取扱説明書に従ってください。
まとめ|収納ベッドは「3か所」を乾いた状態に保つ
収納付きベッドの湿気対策は、方法をたくさん覚える必要はありません。重要なのは、マットレス裏面・床板・収納庫の3か所に湿気を長く残さないことです。
- 寝室全体の湿気・結露を確認する
- マットレス裏面と床板を確認し、必要なら乾燥させる
- 収納庫には乾いた衣類・寝具を入れる
- ベッドパッドや除湿シートは補助として使う
- 購入時は収納量だけでなく点検・メンテナンス性も確認する
収納ベッドは省スペースで収納力を増やせる便利な家具です。湿気が心配だから避けるのではなく、構造を理解し、日常的に状態を確認できる商品を選ぶことが大切です。




