- ベッドの耐荷重は、何kgを選べばいい?
- 600kg・650kgの高耐荷重ベッドは、どんな人に向いている?
- 「試験荷重」と「使用時の耐荷重」は同じ?
ベッドの耐荷重を選ぶときは、「体重だけ」ではなく、マットレスや寝具を含めてベッドに載る重量を考え、メーカーが示す耐荷重に余裕のある商品を選ぶことが基本です。
ただし、「体重の1.5倍なら必ず安全」といった共通ルールがあるわけではありません。耐荷重の設定方法や試験条件は商品によって異なるため、最終的にはメーカーの商品仕様・使用人数・使用できる寝具などを確認してください。
私はベッドショップオーナーで、睡眠環境・寝具指導士、睡眠・寝具インストラクター、寝具ソムリエの資格を持っています。この記事では、耐荷重の意味を簡潔に整理したうえで、「自分ならどの程度を選ぶか」「高耐荷重ベッドは何が違うか」を、JIS規格やSG基準、実際の商品試験も踏まえて解説します。
先に結論:最低条件は「人+マットレス・寝具などの重量」がメーカーの耐荷重を超えないことです。購入時は上限ぎりぎりを避け、余裕のある耐荷重を選びましょう。二人で使う場合は二人分を合計し、商品がその使用人数・サイズでの利用を想定しているかも確認してください。
ベッドの耐荷重とは?まず「載せる重量」を考える

ベッドの耐荷重は、その商品を選ぶときの強度の目安となる数値です。重要なのは、寝る人の体重だけを見ないことです。
たとえば、体重70kgの人が、マットレスや寝具を合わせて約20kg使用するなら、ベッドに載る重量は約90kgになります。この場合、耐荷重100kgの商品では上限との差が小さいため、150kg・200kgなど、より余裕のある商品も比較すると選びやすくなります。
| 使用例 | ベッドに載る重量の考え方 | 選び方 |
|---|---|---|
| 一人で使用 | 本人+マットレス+寝具など | 合計重量を上回り、余裕のある耐荷重を選ぶ |
| 二人で使用 | 二人分の体重+マットレス+寝具など | 合計重量に余裕があり、二人使用を想定した商品を選ぶ |
| 親子など複数人 | 使用する人全員+寝具など | 耐荷重だけでなくメーカーの使用人数・使用条件も確認 |
「体重×1.5倍」を安全基準として一律に当てはめるのではなく、実際に載る重量を計算して、上限ぎりぎりを避けると考える方が実用的です。
耐荷重と耐久性、JIS試験、フレーム構造の関係を詳しく知りたい方は、ベッドの耐久性は耐荷重だけで決まらないもご覧ください。
試験荷重と「実際に使える耐荷重」は同じではない
高耐荷重ベッドを見ると、「1000kgの試験に合格」「1200kgの荷重試験に合格」といった表示があります。ここで注意したいのが、試験で加えた荷重と、メーカーが想定する使用時の耐荷重は別の場合があることです。
たとえばSERAPIS-BEDの頑丈すのこベッドは、国内検査機関でJIS規格に準じた床面中央部への30分間の垂直耐荷重試験を行い、約1000kgの試験に合格しています。一方、メーカーの想定耐荷重は約650kgです。
Long forceやセンペール2も、11,768N(約1200kg)の荷重試験に合格していますが、商品として示されている耐荷重は600kgです。
1000kgの試験に合格=1000kgまで日常使用してよい、という意味ではありません。購入時は「試験で加えた荷重」ではなく、メーカーが商品仕様として示す耐荷重・使用条件を基準にしてください。
JIS S 1102は「住宅用普通ベッド」の規格
一般的な住宅用ベッドには、JIS S 1102「住宅用普通ベッド」という日本産業規格があります。
この規格は、睡眠に用いるマットレスと、それを支持するベッドフレームを組み合わせた住宅用普通ベッドについて定めたものです。一方、ベビーベッド、ソファーベッド、二段ベッド、リクライニング式ベッドなど、特殊な機能・構造を持つものは適用対象外です。
商品説明に「JIS規格に準じた荷重試験」と書かれている場合は、どこに、どの程度の荷重を、どのくらいの時間加えた試験なのかまで確認すると、商品同士を比較しやすくなります。
なお、「JIS規格に準じた試験を実施」と「製品全体がJIS規格に適合」は同じ意味ではありません。
日本規格協会:JIS S 1102:2017 住宅用普通ベッド
耐荷重600kg・650kgのベッドはどんな人向け?

耐荷重600kg・650kgのベッドは、「体重600kgの人が使うため」の商品ではありません。高い耐荷重は、荷重に余裕を持たせたい人、二人で使う人、敷布団対応など強度を重視したい人が比較するときの分かりやすい指標になります。
体格が大きく、耐荷重に余裕を持たせたい人
体重と寝具を合計した重量が一般的なベッドの耐荷重に近づく場合は、高耐荷重タイプを選ぶことで上限までの余裕を確保しやすくなります。
ただし、「高耐荷重ならどんな使い方でも大丈夫」という意味ではありません。飛び跳ねる、勢いよく座るなど、メーカーが想定していない衝撃を加える使い方は避けてください。
夫婦・カップルで一台を使う人
二人で寝る場合は、二人分の体重にマットレス・寝具などの重量を加えて考えます。
たとえば体重70kgと60kgの二人なら、体重だけで130kgです。ここにマットレスや寝具の重量が加わります。ダブル・クイーンなど二人で使うベッドでは、合計重量だけでなく、そのサイズが二人使用を想定した仕様かも確認しましょう。
敷布団を使いたい人
高耐荷重でも、すべてのベッドが敷布団に対応しているわけではありません。
敷布団を直接載せる場合は、「敷布団使用可」「布団対応」などメーカーの記載がある商品を選んでください。耐荷重の数字だけで判断しないことが大切です。
ベッドの種類だけで耐荷重を決めつけない
「すのこベッドは弱い」「パイプベッドは耐荷重が低い」「チェストベッドなら必ず頑丈」といった分類だけで選ぶのはおすすめできません。
同じすのこベッドでも100kg台の商品から600kgを超える商品まであり、フレームの設計によって大きく異なります。パイプベッドや収納ベッドも同様です。
商品を比較するときは、次の順番で確認すると分かりやすくなります。
- メーカーが示す耐荷重
- 一人用・二人用など使用条件
- 荷重試験の有無と試験条件
- 床板・桟・脚・接合部などの構造
- 使用したいマットレス・敷布団への対応
木材の種類だけで耐荷重を判断するのも避けましょう。同じ樹種でも部材寸法・構造・補強方法が違えば、完成したベッドの強度は変わります。
ロフトベッド・二段ベッドはSG基準も確認
ロフトベッド・二段ベッドは高さがあり、一般的な住宅用普通ベッドとは構造が異なります。
一般財団法人製品安全協会では、CPSA 0016「二段ベッド及びロフトベッド」のSG基準を設けており、部材間のすき間やはしごの強度などを規定しています。
そのため、ロフトベッド・二段ベッドは耐荷重の数字だけでなく、手すり・はしご・床板・接合部など、その構造に応じた安全性も確認してください。
SGマークは任意の認証制度なので、SGマークがない商品を一律に危険と判断するものではありません。商品ごとの使用条件や安全構造を確認することが大切です。
製品安全協会:二段ベッド及びロフトベッド
高耐荷重ベッドおすすめ3選
ここでは、現在SERAPIS-BEDで確認できる商品の中から、耐荷重が高く、試験条件や使用条件を確認しやすいものを3台に絞りました。価格や仕様は変更される場合があるため、購入時は商品ページの最新情報をご確認ください。
耐荷重650kg|頑丈すのこベッド
想定耐荷重は約650kg。国内検査機関でJIS規格に準じた床面中央部への30分間の垂直耐荷重試験を実施し、約1000kgの試験に合格しています。
太めの支柱とすのこ桟を採用し、敷布団・ノンコイルマットレスにも対応。耐荷重に大きな余裕を取りたい方や、布団を使える頑丈なすのこベッドを探している方に向いています。
耐荷重600kg|Long force ロングフォルス
耐荷重600kg。JIS規格に準じた床面中央部への30分間の垂直荷重試験で、11,768N(約1200kg)の試験に合格した商品です。
敷布団に対応したすのこ床板と跳ね上げ式の大容量収納を組み合わせています。高耐荷重に加えて、布団対応と収納力も重視したい方の候補です。
耐荷重600kg|センペール2
耐荷重600kg。国内検査機関でJIS規格に準じた床面中央部への30分間の荷重試験を実施し、11,768N(約1200kg)の試験に合格しています。
敷布団に対応し、ベッド下を大容量収納として使えるタイプです。高耐荷重・布団対応・収納をまとめて重視したい方に適しています。
高耐荷重ベッドを買う前の最終チェック
- 人+寝具の合計重量:耐荷重を超えていないか
- 余裕:上限ぎりぎりの商品を選んでいないか
- 使用人数:一人用・二人用などメーカーの条件に合っているか
- 試験:試験荷重と実際の耐荷重を混同していないか
- 寝具:マットレス・敷布団など希望する寝具に対応しているか
耐荷重が高いことは安心材料のひとつですが、毎日の睡眠ではベッドの強度だけでなく寝室環境も重要です。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、良質な睡眠のために光・温度・音などの睡眠環境を整えることが示されています。
つまり、ベッドは「壊れにくさ」だけで選ぶのではなく、自分に合う寝具と組み合わせ、適切な睡眠環境で使うことまで含めて考えるのが大切です。
厚生労働省:健康づくりのための睡眠ガイド2023
ベッドの耐荷重に関するFAQ
ベッドの耐荷重は何kgを目安にすればいいですか?
まず「使用する人の体重+マットレス・寝具などの重量」を計算し、その合計を十分に上回る耐荷重を選んでください。たとえば体重70kg+寝具約20kgなら約90kgなので、耐荷重100kgより150kg・200kgなど余裕のある商品を比較すると選びやすくなります。「体重×1.5倍」を一律の安全基準とはせず、メーカーの使用条件を優先してください。
二人で寝る場合の耐荷重はどう考えますか?
二人分の体重+マットレス・寝具などの重量を合計します。たとえば70kg+60kgなら体重だけで130kgです。ここに寝具の重量を加え、余裕のある耐荷重を選びます。さらに、そのサイズ・商品が二人使用を想定しているかも確認してください。
耐荷重600kg・650kgはどんな人に必要ですか?
600kg・650kgが全員に必要なわけではありません。体格が大きい方、二人で使用する方、上限まで十分な余裕を取りたい方、敷布団対応など頑丈な構造を重視する方が比較しやすい高耐荷重タイプです。必要以上に数字だけを追うのではなく、用途と構造も確認しましょう。
1000kgの荷重試験に合格したベッドなら1000kgまで使えますか?
いいえ。試験で加えた荷重と、メーカーが設定する使用時の耐荷重は別の場合があります。たとえば約1000kgの荷重試験に合格していても、想定耐荷重が約650kgの商品があります。使用時はメーカーが示す耐荷重を守ってください。
耐荷重が高ければ敷布団を直接使えますか?
耐荷重が高いだけでは判断できません。敷布団を使いたい場合は、商品説明や取扱説明書に「敷布団使用可」「布団対応」などの記載がある商品を選んでください。
まとめ|耐荷重は「合計重量+余裕」で選ぶ
ベッドの耐荷重選びで最も分かりやすい基準は、「人+寝具の合計重量を出し、それを十分に上回る商品を選ぶ」ことです。
そのうえで、二人使用なら二人分を合計し、試験荷重とメーカーの耐荷重を混同しないこと、敷布団を使うなら布団対応を確認すること、ロフトベッド・二段ベッドならSG基準など構造に応じた安全性も確認してください。
高耐荷重ベッドを探している方は、600kg・650kgという数字だけで決めるのではなく、「なぜその耐荷重なのか」「どんな試験をしているか」「自分の使い方に合っているか」まで比較すると失敗しにくくなります。



