ベッドの名称と構造をご説明!ベッドフレームとマットレスの各部を徹底検証

ベッドの構造ベッドの豆知識
  • 購入したいベッドのスペック内容が分からない・・
  • ヘッドボードは何であるの?
  • 床板の選び方が知りたい!

ベッドは、見た目で選ぶ人が多いかもしれません。

実際、様々なデザインで数多くのカラーリングのものが販売されているので、寝室のイメージに合ったものを自由に選ぶ事が出来ます。

しかし、デザイン性だけで選ぶと通気性や寝心地に満足出来ない危険性があります。

私はベッドショップオーナーで、睡眠・寝具指導士、睡眠・寝具インストラクター、寝具ソムリエの資格を持っていますが、ベッドには基本となる構造があり、その特徴や機能性を把握した上で購入すると、より一層最適なベッドを購入できます。

そこでこの記事では、ベッドの名称や構造、その機能性について詳しくご説明します。

この記事を読めば、商品スペックに記載されている情報までしっかり理解する事が出来ますよ。

ヘッドボードの構造と役割

ヘッドボード

【ヘッドボード】とは、ベッドの頭の部分に取り付けられている板で、通常は最も高さがあるパーツです。

ヘッドボードは単に頭の位置を知るだけでなく、沢山の機能性が盛り込まれています。

ヘッドボードの種類としては、

  • 宮付きタイプ
  • パネルタイプ
  • 背もたれタイプ
  • ヘッドレスタイプ

と言ったものがあるのでご説明します。

宮付きタイプ

宮棚

宮付きとは、宮棚やコンセント、照明などが付いているタイプで一番機能性に優れているヘッドボードです。

寝る前に読書をしたり、スマホの充電が出来るので、使い勝手重視の人におすすめです。

パネルタイプ

パネルタイプのヘッドボード

パネルタイプとは、フラットな板で構成されたヘッドボードを指します。

機能性よりもデザイン性を重視しているヘッドボードで、モダンな雰囲気やスタイリッシュなイメージに出来ます。

またパネルタイプは、薄い板を取り付けてあるだけですが、冷気を遮る役割も果たしています。

背もたれタイプ

背もたれタイプのヘッドボード

レザーベッドの一部の商品が背もたれタイプに該当するのですが、ヘッドボードの中にウレタンなどクッション性も高い素材を詰める事で、もたれ掛かった時に心地よい感触を得る事が出来ます。

ベッドに座ってリラックスしたい方におすすめです。

ヘッドレスタイプ

ヘッドレスすのこベッド

ヘッドボード自体がないタイプをヘッドレスタイプと言います。

シンプルなデザインなので、お部屋のインテリアを損ねないと言うメリットの他に、余分な部材を使用していないので価格も安くする事が出来ます。

但し置き場所によっては冬場は頭が寒く感じますし、高級感はないので注意してください。

床板の構造と役割

すのこ床板

ベッドフレームには【床板】と呼ばれているものがあります。

床板はベッド上にマットレスや布団を敷くスペースに該当していて、最も面積の広いパーツです。

「すのこ」もしくは「張り板」が主流ですが、弾力性があり通気性に優れている「ウッドスプリング」なども人気です。

すのこ

すのこベッド

すのこなど通気性に優れている床板を選ぶことで、マットレスに溜まりがちな湿気を取り除いてカビの繁殖を抑える事が出来るだけでなく、ベッド自体をサラサラで快適にする働きもあります。

隙間があるので、補強が不十分だと耐荷重が低くきしみ音がしやすいタイプがあります。

一方で、すのこを桟で補強してあるベッドは、通常のベッドよりも強度が高く耐荷重が500kgや600kgと言った頑丈なベッドもあります。

>>すのこベッドはこちら!

張り板

張り板

すのこと違い、隙間なく板を敷き詰めているタイプを「張り板」と言います。

桟などの補強が必要ない分製造コストを安く抑えられるので、安いベッドフレームに多い構造です。

但し、通気性が良くないので湿気がちな寝室には不向きです。

ウッドスプリング

ウッドスプリング

木の板を反らす事で、床板に弾力性を持たせているのが「ウッドスプリング」です。

すのこ同様に隙間があるので通気性に優れていますし、マットレスの耐圧分散性・耐久性を向上させる事が出来ます。

但し製造コストが高くつくので、一部の高級ベッドでしか使用されていません。

 

床板を選ぶ際には、通気性と耐荷重がどこまで必要かを考えると間違いありません。

湿気やカビが気になる方は、腐食しにくい桐やひのきのすのこベッドが良いでしょう。

また体重を支えるパーツなので、重たい方は張り板か隙間が少ないすのこがおすすめです。

>>ベッドの床板「すのこ」「張り床」のメリット・デメリットと交換方法

フットボードの構造と役割

フットボード

【フットボード】はヘッドボードの逆側に位置していて、就寝した状態では足もとに取り付けられているボードです。

ベッドを作る際にフットボードが無いと、構造上不安定になってしまうので、強化させる上でも欠かせません。

シンプルな構造で、足がマットレスからはみ出してもぶつからない高さに設定されています。

サイドフレームの構造と役割

サイドフレーム

【サイドフレーム】は名称通りベッドの両サイドに設置されている細長い板を指します。

サイドフレームはベッド全体がたわまないようにすると共に、床板を支えるための梁が巡らせています。

サイドフレームはヘッドボードと共に、木の質感や色合いが目立つパーツです。

収納付きベッドのサイドフレーム

チェストベッド

引き出しタイプの収納付きベッドには、

  • 引き出し式収納ベッド
  • チェストベッド

の2種類があります。

引き出し式収納ベッドでは、サイドフレームの下に引き出しが取り付けられていますが、チェストベッドではチェスト部分がサイドフレームの役割を果たします。

そのため、フレームの高さが同じでもチェストベッドの方がより高い収納力を誇ります。

脚の構造と役割

ベッドの脚

【脚】はベッド全体の重さを受け止めるため頑丈に作られていて、シングルベッドの場合8本で構成されていることが多いです。

脚の役割

脚には、

  • 高さを出す
  • 高級感を演出する
  • 通気性を良くする
  • ベッド下にスペースを作る

と言った役割があります。

起き上がりやすいベッドの高さ

起き上がりやすいベッド

脚の長さによって起き上がりやすいかどうかが決まってきます。

一般的に「身長×0.25」が一番起き上がりやすい高さと言われているので、足腰に不安を感じる方はむやみに高すぎたり低すぎるベッドを選ぶのは止めましょう。

ベッド下に収納する場合は長めの脚

ベッド下を収納として使っている脚付きマットレス

高さがあるベッドは寝室に圧迫感を与えてしまいます。

しかし、ベッド下に収納したい方は、脚の長いタイプを購入することでより広い収納スペースを確保出来ます。

おしゃれな雰囲気は短い脚

逆におしゃれな雰囲気にしたい方は、短い脚を選ぶのがおすすめです。

「ロータイプ」と言って、ベッドの高さを抑える事でお部屋に開放感を出して、おしゃれな雰囲気を作り出す事が出来ます。

脚の種類

ベッドの脚

種類によっては単に角材で作られているものではなく、彫刻のようにデザインが施されているものや、スチール製の脚もあります。

部屋に暖かみを出したい時には木脚を用いて、都会的でスタイリッシュな雰囲気にしたいのであればスチール脚がおすすめです。

また、脚ではなくフレーム枠そのものでベッドフレームを支えているタイプもあります。

一般的にフロアベッドは、脚ではなくフレーム枠で支えるベッドになっていますが、空気の通り道がないために通気性が悪いと言うデメリットがあります。

>>フロアベッドのカビ・湿気対策&カビにくいすのこフロアベッド5選!

マットレスの構造と役割

スプリングマットレス

ベッドでは、【マットレス】も欠かすことが出来ないパーツです。

床板の上に置いて使うもので、種類によって硬さ(反発力)・耐圧分散性・通気性・衛生面が異なってきます。

スプリングタイプの中で人気が高いマットレスには、

がありますが、それぞれ内部構造は異なっています。

ボンネルコイルマットレスの構造

ボンネルコイルマットレスの構造

ボンネルコイルマットレスの内部は、コイルが連結していて体を面で支えるようになっています。

通気性に優れていて長寿命ですが、硬めの寝心地で耐圧分散が出来ないため腰痛や肩こりなどの症状がある方には不向きです。

ポケットコイルマットレスの構造

ポケットコイルマットレスの構造

ポケットコイルマットレスはコイル一つ一つが袋に入っていて、身体を点で支える事が出来ます。

耐圧分散に優れている一方で、通気性はあまり良くありません。

ポケットコイルマットレスの構造は、袋に入ったコイルの上に不織布・ウレタン・樹脂綿・ニット生地が入っていて、ボンネルコイルマットレスよりも柔らかい寝心地が特徴です。

マルチラススーパースプリングマットレス(フランスベッド)の構造

マルチラススーパースプリングマットレスの構造

マルチラススーパースプリングマットレスは、1本のコイルを連続して編み込んだ「連続スプリング」が特徴で、体を面で支えるので部分的な落ち込みがありません。

ボンネルコイルマットレス同様、通気性と耐久性に優れていますが、内部構造は複雑でスプリングの上にはパームパッド・フェルト・不織布・ウレタンで包み込んでいて、表面の生地はポリエステル+綿+レーヨン防虫不織布が使われているので、抗菌・防臭・防ダニの効果があります。

また、低ホルムアルデヒドで赤ちゃんや小さなお子様にも安心の衛生マットレスです。

ゼルトスプリングマットレスの構造

ゼルトスプリングマットレスの構造

ゼルトスプリングマットレスの側地には、高級感のあるトビー織り生地を使用しています。

高耐久性の高密度連続スプリングを編み込んでいるために、体を面で支えて余分な沈み込みがなく、通気性・耐久性に優れています。

厚さが20cmあるマットレスの内部は、ゼルトスプリングをパームパッドとフェルト、不織布・ウレタン・樹脂綿にポリエステル+綿+レーヨン防虫不織布で挟み込んでいて適度な硬さを実現しています。

ゼルトスプリングマットレスも低ホルムアルデヒドで、赤ちゃんや小さなお子様にも安心の衛生マットレスです。

ゾーンコイルマットレス

ゾーンコイルマットレスの内部構造

ゾーンコイルマットレスは、高密度のコイルスプリングを使い、腰部分が落ち込まないように硬めに仕上げています。

表面部分はウレタンマットになっており、点で支える凹凸仕上げにする事で高い耐圧分散性を保持してくれます。

ポケットコイルに比べて3倍通気性が良く、抗菌・防臭・防ダニ加工が施されており、メッシュ生地も使っているのでジメジメした夏場でも快適な睡眠が取れます。

ベッドの構造まとめ

ベッドには、ヘッドボードや床板、フットボード、サイドフレーム、脚やマットレスなどがあります。

それぞれの構造や役割を把握する事で、見た目だけでは分からないベッドの通気性や耐久性も把握する事が出来ます。

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