- マットレスの上に敷布団は敷く?
- 寝心地が悪くなったから、布団を敷いてごまかしている・・
- マットレスが凹んできたらどうすれば良い?
マットレスの上に敷布団を敷いて使っている人はたくさんいらっしゃいます。
しかしこの使い方は、寝心地が悪くなり睡眠の質を悪化させるので止めてください。
私はベッドショップオーナーで、睡眠・寝具指導士、睡眠・寝具インストラクター、寝具ソムリエの資格を保有していますが、基本的にマットレスは単体で使うのが正解です。
しかしマットレスの種類や状態によっては、敷布団と併用する事もあります。
そこでこの記事では、マットレスと敷布団の正しい使い方について詳しくご説明します。
マットレスに敷布団がNGな理由
基本的にマットレスと敷布団は併用しません。
マットレスは単体で使用する事で、適切な耐圧分散性や快適な寝心地、通気性を得られるようになっています。
もし併用すると、
- 耐圧分散性が低下する
- 寝姿勢が崩れる
- カビ・ダニが繁殖しやすい
と言った悪影響が出ます。
1.耐圧分散性が低下する
スプリングマットレスは、荷重が加わった部分だけが沈み込む「耐圧分散性」がある事で、腰や肩の負担を軽減します。
しかし、敷布団を重ねるとマットレス本来の耐圧分散性が損なわれて、腰痛や肩こりの原因となります。
2.寝姿勢が崩れる
柔らかい敷布団をマットレスの上に敷くと、敷布団とマットレスの両方が沈み込むことで体が「く」の字に折れ曲がります。
腰痛を悪化させるだけでなく、血流を阻害して睡眠の質も低下します。
3.カビ・ダニが繁殖しやすい
敷布団は中綿が詰め込んであるため、通気性が良くありません。
寝汗は敷布団とマットレスの間に溜まり、乾燥しないため湿気によりカビやダニが繁殖しやすくなります。
マットレスと敷布団を併用するケース
マットレスを複数重ねたり敷布団と併用すると、耐圧分散性が損なわれて本来得られるべき反発力や弾力性が失われますし、カビやダニも繁殖しやすくなります。
しかし、
- スプリングマットレスがへたった時
- ウレタンマットレスで底付き感がある時
は、マットレスと敷布団を重ねて使用しても構いません。
一方、マットレスと敷布団を併用するのが推奨されないケースもあるので、こちらもご説明したいと思います。
スプリングマットレスがへたった時
スプリングマットレスがへたると、フェルトやウレタンのクッション性がなくなり、スプリングが背中に当たる感覚がしてきます。
その場合はマットレスの上に敷布団を敷くことで、スプリングの嫌な感触をなくすことが出来ます。
但しこの状態はカビ・ダニの繁殖を促進するので、マットレスと敷布団の間に除湿シートを敷くようにしましょう。
ウレタンマットレスで底付き感がある時
薄手のウレタンマットレスやファイバーマットレスでは、厚みが足りずに底付き感が出るケースがあります。
その場合には、マットレスを敷布団の上に敷いて、間に除湿シートを敷きましょう。
マットレスを下に敷くと、マットレスが本来持っている「耐圧分散」や、「クッション性」が失われてしまいます。
また、ウレタンマットレスはスプリングマットレスと比べて寿命が短いですが、上に敷布団を載せると圧縮されて、更に寿命を縮める要因となります。
マットレスと敷布団を併用してはダメなケース
一方、マットレスと敷布団を併用するのが推奨されないケースもあります。
それは、柔らかいマットレスと分厚い敷布団を使う場合です。
両方ともに十分な厚みがあり、クッション性が高いもの同士の組み合わせは、一見すると快適な寝心地を得られそうに感じます。
腰痛の原因となる
しかし実際に寝てみると、腰が必要以上に沈み込み身体が「く」の字に曲がります。
腰が圧迫されて腰痛を発症する原因になりますし、寝返りがうちずらいので、血流やリンパの流れが阻害されて、疲労が抜けません。
また両肩もすぼんだ状態で寝るので、肩が前のめりになってしまい肩こりの原因となるので注意しましょう。
マットレスの寝心地改善方法
マットレス単体では寝心地が悪かったり、朝起きると腰や背中に痛みが走るケースがあります。
寝心地が悪くなる主な原因は、
- マットレスが硬すぎる
- マットレスが柔らかすぎる
- スプリングが体に当たって痛い
- マットレスの真ん中が凹んでいる
があるので、それぞれ対策方法をご説明します。
1.マットレスが硬すぎる
スプリングマットレスの寿命を超えて使用していると、中のスプリングが錆の影響で弾力性を失い硬くなることがあります。
マットレストッパーを敷く
サイズ | 厚み | 価格 |
シングル・ダブル | 5cm、7cm、10cm | 14,134円~ |
クッション性がなくなり、硬くなってきたと感じたら「マットレストッパー」を使うのが良いでしょう。
マットレストッパーとは、寝心地改善のために作られたマットレスの上に敷く薄手マットレスの事です。
厚さは3cmから7cm程度で、子どもは3cmのマットレストッパーを、平均的な体格では5cm、70㎏を超える方は7cmのマットレストッパーを敷くようにします。
2.マットレスが柔らかすぎる
マットレスは柔らかすぎても、寝にくいケースがあります。
特に体重が重たい方が
- 柔らかいスプリングマットレスを使う
- 低反発ウレタンマットレスを使う
と熟睡出来ないケースがあります。
柔らかいスプリングマットレスを使う
体重が重たい方が「ソフト」と記載されているマットレスを使うと、必要以上に体が沈み込んで柔らかく感じます。
ベッドパッドを敷くだけでは寝心地を改善出来ないので、体圧分散出来る高反発のマットレストッパーを上に敷きましょう。
寝心地が改善すれば、マットレス自体は劣化していないので、特に買い替える必要もありません。
低反発ウレタンマットレスを使う
体重が重たい方が低反発ウレタンマットレスを使用すると、腰が折れ曲がり熟睡できません。
この場合も高反発のマットレストッパーを上に敷くようにして下さい。
せっかく高級なマットレスを購入したのにもったいない気もしますが、マットレストッパーを上に敷く事でマットレス自体の寿命を延ばす事にも繋がりますので、是非試して下さい。
3.スプリングが体に当たって痛い
スプリングマットレスは、スプリングを挟み込むようにウレタンやフェルト生地のクッション材が入っています。
しかし、経年劣化によってクッションの役割を果たさなくなることがあります。
あるいは、安物のマットレスの場合もともとクッション材が薄すぎるケースもあります。
ベッドパッドかマットレストッパーを敷く
サイズ | 価格 |
セミシングル~ワイドキング | 8,363円~ |
スプリングが多少当たる程度なら、ベッドパッドを敷く事で寝心地を改善出来ます。
しかし酷い場合には、上にマットレストッパーを敷きましょう。
4.マットレス中央が凹んでいる
人が横になった時には全体重の44%が腰に、33%が背中にかかります。
そのためマットレスがへたってくると、お尻や背中辺りが凹みます。
タオルで凹みをなくして、マットレストッパーを敷く
そんな時には、凹んでいる部分に薄手のタオルを敷いて、その上から高反発のマットレストッパーを敷きます。
この時マットレストッパーの厚みも、子どもであれば3cmを、体重が重たい人は5cmや7cmにします。
マットレストッパーの下にタオルを敷くことで凹みは改善されますが、マットレスの本来持っている弾力性は失われています。
そのため、体をサポートしてくれる「高反発のマットレストッパー」を敷くのがポイントです。
マットレスの買い替えがおすすめ
スプリングがへたったり、凹んでいる場合でも、ベッドパッドやマットレストッパーを敷く事である程度寝心地を改善出来ますが、根本的に解決しているわけではありません。
マットレスの寿命は、メンテナンスをしていても10年程度です。
寿命がきたマットレスは買い替えた方が睡眠の質を向上出来ますし、今では低価格で良いスプリングマットレスも販売されています。
金銭的に余裕があるのであれば、買い替えをおすすめします。
まとめ
マットレスに敷布団を敷くと、
- 耐圧分散性が低下する
- 寝姿勢が崩れる
- カビ・ダニが繁殖しやすい
と言った悪影響が出ます。
一方、
- スプリングマットレスがへたった時
- ウレタンマットレスで底付き感がある時
は重ねても大丈夫ですが、湿気対策に除湿シートも使いましょう。
マットレスがへたってきて寝心地が悪いのであれば、マットレスの上に薄手のトッパーを敷く事をおすすめします。