- 床板はどれも同じ?
- すのこならカビが生えないって本当?
- 床板を交換するにはどうすれば良い?
ベッド選びでは、デザインや価格、機能性も重要です。
しかし、床板を「すのこ」にするか「張り板」にするかも見落とせないポイントです。
私はベッドショップオーナーで、睡眠・寝具指導士、睡眠・寝具インストラクター、寝具ソムリエの資格を持っていますが、湿気やカビが気になる方は床板がすのこ状になっている商品を選ぶのをおすすめします。
そこでこの記事では、「すのこ」と「張り板」のメリット・デメリットに加えて、床板の材質や交換方法までご紹介します。
この記事を読めば、通気性に優れたベッドフレームを選ぶ事が出来ますよ!
ベッドの床板には「すのこ」と「張り板」がある
ベッドの床板には、板と板の間に隙間がある「すのこ」と、板を敷き詰めた「張り板」の2種類があります。
すのこタイプ
すのこの特徴は、板と板の間に隙間が設けられていて通常は格子状に組み合わせています。
耐久性に不安を感じるかもしれませんが、ベッド用のすのこは厚みもありますし、桟や梁がしっかり入っているので簡単に折れることはありません。
ただ桟が少なかったり、隙間が極端に広いすのこは接合部分からギシギシと音がする事もあるので、購入前に耐荷重をチェックしましょう。
また、すのこベッドには床板に強度を持たせることで布団も使えるタイプもありますが、そうでないすのこベッドに布団を敷いて寝ると簡単にひび割れるので注意しましょう。
張り板タイプ
もうひとつの床板が張り板タイプです。
フラットな見た目が特徴で、こちらもベッドの床板としてよく用いられています。
一枚板をはじめ、何枚かの板を組み合わせてセットになっているタイプもあります。
隙間がない分見た目に安心感があり、マットレスの表裏をひっくり返すのも簡単です。
これらの床板は多くのベッドに使われていますが、双方でメリット・デメリットがあるので、一つずつご説明したいと思います。
すのこのメリット
すのこの床板のメリットには、
- 通気性に優れている
- 夏は涼しい
- 香りが良い
- 布団が使えるすのこベッドもある
があります。
1.通気性に優れている
すのこのメリットで、真っ先に挙げられるのは通気性が良いことです。
板と板の間に隙間がある事で、寝具内の空気を上手く循環させることが出来ます。
人は眠っている時にコップ一杯程度の汗をかくと言われていますが、その湿気はマットレスの裏面と床板の間に溜まります。
その湿度が高い状態が長期間続くと、マットレスの裏面や床板がカビてしまう恐れがあります。
敷きっぱなしの布団やマットレスが知らない間にカビるのは、長時間湿気が籠ったままになっているからです。
すのこベッドでもカビが生える事はありますが、ローテーションやカビ対策の頻度を大幅に減らす事が出来ます。
2.夏は涼しい
また、温度と湿度が高い夏場は快適に眠れるのも、すのこならではのメリットです。
人が快適に睡眠を取れる寝床内環境は、温度が33度で湿度が50%と言われています。
床板をすのこにする事で、ベッド下から新鮮な空気を取り込めるので、湿度を下げるとともに体温で温められた空気も逃がす事が出来ます。
3.香りが良い
すのこに使用されている素材には、
- 桐
- ひのき
- 杉
- パイン材
と言ったものがあります。
中でも無垢材のひのきを使用しているすのこベッドは、香り成分が豊富で森林浴をしているようなリラックスした気分にしてくれます。
またひのきの香り成分には、殺虫効果や防虫・防ダニ効果もあるので、寝室を衛生的な環境にする事が出来ます。
4.布団が使えるすのこベッドもある
通常ベッドは、マットレスを使う前提で作られています。
と言うのも、布団はマットレスと比べると通気性が悪いので、日本のように高温多湿の気候だとすぐにカビが繁殖してしまうからです。
しかし床板がすのこになっているベッドであれば、空気が入り込むのでカビの発生を抑えてくれます。
また、布団はマットレスと違い耐圧分散出来ないので、一か所に荷重がかかる事で床板がひび割れを起こします。
しかし床板に強度を持たせているすのこベッドであれば、布団でもご使用する事が出来ます。
但し、寝心地はフローリングの上に布団を敷いて寝るようなものなので、薄手の敷布団だと寝心地が硬く背中や腰が痛くなるので注意しましょう。
すのこのデメリット
一方ですのこベッドにはデメリットもありますが、それは
- 冬は寒い
- きしみ音がしやすい
- 破損の可能性が若干ある
と言った事です。
1.冬は寒い
通気性が良いすのこは、夏は快適に睡眠を取る事が出来ますが、冬は逆に寒さを感じる事になります。
マットレスであれば分厚いのでそれ程気になりませんが、薄手の敷布団だと背中に冷たさを感じやすいため、スースーとした感覚で入眠しにくい事もあるでしょう。
そのため寒さが苦手な人は、敷きパッドを敷くなど対策を立てるようにしましょう。
2.きしみ音がしやすい
簡易的なすのこベッドの場合、体重がかかると少しですが湾曲する事があります。
そのため、ギシギシときしみ音が鳴る事があり、睡眠を妨げる事にも繋がります。
床板をすのこにする場合には、耐荷重が自分の体重にマットレスなどの寝具を足してもオーバーしないかを確認するようにして下さい。
目安として「体重×1.5」の耐荷重があれば大丈夫です。
>>すのこベッドのギシギシとしたきしみ音対策&きしまないすのこベッド5選!
3.破損の可能性が若干ある
通常使用で破損する事は稀ですが、ベッドの上で飛び跳ねたりするとすのこが割れる事があります。
割れてしまったすのこを修復させることは出来ないので、すのこだけをサイズに合わせてニトリや楽天、Amazonで購入して交換するようにしましょう。
>>割れやすいベッドの板の特徴と床板が割れた時の修理・交換方法
張り板のメリット
張り板のメリットですが、
- 冬は暖かい
- 一定の強度がある
- 安い
- 引き出し式収納ベッドでは張り板しか使えない
の4点があります。
1.冬は暖かい
張り板は熱を逃がしにくい点に強みがあります。
隙間のない床板のため、畳で眠る時の感覚に近いです。
すのこのように背中がスースーする事もなく、冬場でも底冷えの心配がありません。
3.一定の強度がある
板を隙間なく敷き詰める張り板は、隙間があるすのこに比べて、一定の強度を備えています。
板が湾曲しにくいので、きしみ音に悩まされる心配もありません。
但し耐荷重が500㎏や600㎏と言った非常に頑丈なベッドを探すのであれば、補強がしっかり入っているすのこベッドがおすすめです。
4.安い
価格もすのこに比べると安い傾向にあります。
使用している部材自体の量は変わりませんが、すのこと違って重ね合わせたりしなければいけない手間がかからない分コストが割安になっています。
5.引き出し式収納ベッドでは張り板しか使えない
また引き出し式収納ベッドの場合、基本的に張り板しか使用する事が出来ません。
チェストベッドであれば引き出しに蓋や囲いがあるのでほこりが入り込む事はないですが、引き出し式収納ベッドの場合は蓋がないので、すのこになっているとマットレスから出る糸くずやほこりが引き出しの中に入ってしまいます。
そのため、引き出し式収納ベッドはほとんどが張り板です。
張り板のデメリット
張り板には、
- カビが繁殖しやすい
- メンテナンスが大変
と言ったデメリットがあります。
1.カビが繁殖しやすい
張り板は通気性があまり良くないために、カビが生えるリスクが高くなります。
湿気を上手く逃がせない構造なので、管理を怠ってしまうとベッドやマットレスを傷めてしまうかもしれません。
一度カビが発生すると簡単には取れないので、湿気対策は必須です。
2.メンテナンスが大変
湿気を逃がしにくい張り板の場合、
- マットレスを定期的に立てかける
- ベッドパッドや除湿シートを活用する
と言ったメンテナンスが欠かせません。
ただ、定期的に湿気を逃がすようにメンテナンスをしていればカビの発生を予防する事は可能です。
布団やマットレスを全部あげて通気性を良くしたり、定期的に布団乾燥機を使用する事で溜まった湿気を除去出来ます。
床板に使用されている材質
床板をどれにするか決める時に、「すのこ」と「張り板」以外にも、使用されている材木に注目するのも結構面白いですよ。
材質によって強度や値段、香りが違ってくるのですが、ベッドの床板に使用されている主な材質は
- 檜
- パイン材
- 桐
- 杉
の4種類があります。
檜(ヒノキ)の特徴
【新】すのこ ベッド 木製 日本製 国産 宮付 ひのき 香凛 かりん
素材 | サイズ | 価格 |
ひのき | シングル~ダブル | 43,206円~ |
檜は建築木材として非常に優秀で、伐採してから200年間は強度が持つと言われています。
檜の特徴としては、
- 優れた吸湿性
- 水に強い
- 消臭脱臭効果
- 檜の香りによるアロマ効果
- 抗菌防虫効果
など様々なメリットがあります。
檜風呂などがあるように香りを楽しめるのも檜の特徴の一つで、アルファピネン、ボルネオールと言った香り成分が含まれていて、リラックス効果や抗菌効果もありますが、その分、値段が高いのがデメリットです。
また、檜の天然木で作られた床板であれば、アレルギーなどがある人も安心して使用できますよ。
パイン材の特徴
コンパクト天然木すのこベッド minicline ミニクライン
素材 | サイズ | 価格 |
パイン材 | ショート丈セミシングル、ショート丈シングル | 19,219円~ |
パイン材は日本でいう「松」を加工した材木です。
北欧インテリアやカントリー風の家具で頻繁に使われているパイン材にも、フィトンチッドと言う香り成分が含まれているのででリラックスする効果があります。
材質は柔らく加工しやすいのが特徴ですが、傷が付きやすいのがデメリットです。
桐やヒノキなど他の材木と比較すると安価に手に入れる事が出来るので、現在のベッドの床板はほとんどがパイン材を使用しています。
価格を抑えたい人には最適な床板の素材になります。
桐(キリ)の特徴
素材 | サイズ | 価格 |
桐 | セミシングル~ダブル | 36,170円~ |
桐は高級タンスなど家具の木材としてよく使用されてていて、非常に軽い材木です。
また、桐の中には独立した空気の層がたくさんあるので、断熱性・保温性に優れています。
その他にも湿度が高くなると膨張して湿気の侵入を防ぎ、乾燥すると収縮して通気性を良くしてくれるので、床板にもしばしば使用されていますが、強度は普通で価格は若干高い傾向にあります。
吸放質性に優れている材質なので、湿気やカビが気になる方におすすめの材質となっています。
杉(スギ)の特徴
神社でしめ縄を張られたスギのご神木はよく見かける光景だと思いますが、杉は日本固有種で神様が宿ると考えられている材木でもあります。
杉も家具として頻繁に活用されている木材です。
杉は繊維が真っすぐなので、加工しやすく軽いのが特徴です。
また、空気を多く含むため断熱性に優れた杉は、住宅用建築材として広く用いられてきました。
床板に適した吸放湿効果があり、カビの繁殖を抑える事が出来ます。
床板が割れた時の交換方法
ベッドの上で飛び跳ねたり、経年劣化によって床板が割れた時には、「床板のみ」を購入して交換する事が出来ます。
販売しているのは、フランスベッド、Amazon、楽天などです。
床板を購入する時には、まず割れてしまった床板を取り外して、内寸を測ります。
と言うのも、同じシングルベッドと言っても、床板の大きさはメーカーや種類によって若干異なるので、購入した床板が小さすぎたり大きすぎる事も考えられるからです。
内寸に合ったサイズの床板を購入したら、交換して完了です。
ベッドの床板まとめ
床板の種類には「すのこ」と「張り板」の2種類がありますが、すのこには通気性に優れている、布団が使えると言ったメリットがありますし、張り板は安く購入する事が出来ます。
但し張り板は湿気やカビに弱いので、どちらにするか迷っている時はすのこにした方が無難です。
また、床板が割れた時にはフランスベッドやAmazon、楽天などで床板のみを購入して交換する事も出来ますよ。