アトピー性皮膚炎、ベッド周りの悪化要因と対策方法|睡眠・寝具指導士監修

赤ちゃんの肌ベッドの選び方
  • 子供がアトピー性皮膚炎で可哀そう・・
  • アトピーの環境要因を改善したい!
  • ダニやカビに強いベッドが欲しい

アトピー性皮膚炎の子供を見ていると、皮膚を搔きむしったり、皮膚がただれてしまったりで可哀そうですよね。

中でも、寝床に入ってから痒みを訴える子供がたくさんいます。

これは、皮膚が直接触れるベッドカバーや枕、シーツと言った寝具にダニやカビ、花粉など皮膚を刺激する物質が含まれているからです。

私はベッドショップオーナーで、睡眠・寝具指導士、睡眠・寝具インストラクター、寝具ソムリエの資格を持っていますが、アトピー性皮膚炎は寝具周りの悪化要因を排除する事が大切だと考えています。

そこでこの記事では、ベッド周りで考えられるアトピー性皮膚炎の悪化要因や、その対策方法、悪化させにくいベッドやマットレス、寝具をご紹介いたします。

ベッド周りで考えられるアトピー性皮膚炎の悪化要因

フロアベッド

アトピー性皮膚炎の患者さんは皮膚のバリア機能が低下しており、さまざまな刺激に皮膚が反応して炎症が生じやすくなります。

バリア機能が低下して普通なら感じないような刺激でかゆみが強くなって掻いてしまい、さらに皮疹を悪化させるという悪循環をたどることが多くなります。

アレルギーポータルから引用)

そのため、アトピー性皮膚炎の方は医師の指示通りに薬物療法やスキンケアを根気よく続けると共に、皮膚への刺激を少なくして悪化させない事が大切です。

中でも寝具は長時間直接皮膚に触れるため、悪化要因となる事が多いと言われています。

アトピー性皮膚炎のベッド周りの主な悪化要因としては、

  1. カビ・ダニ・花粉・ペットの毛等
  2. 唾液や汗、皮脂汚れ
  3. 寝具との摩擦

の3つが挙げられます。

1.カビ・ダニ・花粉・ペットの毛等

ヤケヒョウヒダニの雄と雌

ヤケヒョウヒダニの雄と雌

カビ・ダニ・花粉・ペットの毛等が皮膚に触れる事で、湿疹が出やすくなります。

抗菌・防ダニ加工が施されている寝具を選ぶと共に、通気性の良いベッド及びマットレスを使い衛生的な環境を整えましょう。

また、就寝中は床に落ちているダニの死骸や糞、花粉などが空気中に飛散しやすくなります。

そのため、日中の間に床の掃除をしておきましょう。

ダニの影響

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の原因は食生活や遺伝、皮膚の状態と言った「体質的な要因」に加えて、アレルゲンや皮膚への外部刺激など「環境的な要因」があります。

中でも、

34例中17例において十分にダニ対策が実施され, その場合ダニ数が30%以下に減少した率は82%, 臨床症状の改善率(著明改善+改善)は88%であった. 全治に近い症例が7例存在した. ダニ対策が不十分な12例又は, ほとんど実施されなかった5例合計17例では, 臨床症状の改善率は35%であった. 以上から, ADが難治の時, とくにダニアレルギーが明瞭な場合は, ダニ相の検査と十分なダニ対策が有効な原因療法と考えられた

アトピー性皮膚炎 (AD) 患者宅におけるダニ相とダニ対策より引用)

とあるように、ダニの繁殖を抑える事がアトピー性皮膚炎には大切なことが分かっています。

2.唾液や汗、皮脂汚れ

汗

皮膚に付着した唾液や汗は、水で洗い流してから柔らかいタオルで吸水させます。

また、シーツ・カバー類を小まめに洗濯する事も大切です。

3.寝具との摩擦

寝具で寝ている女性

シーツやカバー類、毛布、布団など、寝具との摩擦でもアトピー性皮膚炎は悪化します。

低刺激の寝具を選ぶと共に、顔を擦り付けたりしないように注意しましょう。

通気性の良いベッドでカビ・ダニの影響を軽減!

チェック項目

通気性が良いベッドを選ぶ事で、アトピー性皮膚炎の悪化要因となるカビやダニの繁殖を最小限に抑える事が出来ます。

また快適な寝床内環境は温度33度、湿度55%と言われていて、通気性が良いと寝具内の余分な湿気を追い出せるのでサラサラとした寝心地になります。

寝床内環境が悪いと寝汗をかいたり、布団や毛布に過度にしがみつく事で、アトピー性皮膚炎を悪化させやすいですが、通気性の良いベッドならリスクを軽減出来ます。

選び方のポイントとしては、

  1. 床板がすのこ
  2. 無垢材がおすすめ
  3. 脚がある
  4. スプリングマットレスを使う

の4点です。

1.床板がすのこ

すのこベッドCamilleカミーユ

欧米からやってきたベッドの床板は、「張り板」と呼ばれている一枚板でした。

しかし、高温多湿の日本ではカビが発生しやすいため、通気性を確保するために「すのこベッド」が開発されました。

すのこベッドは板と板の間から空気が通り水分が抜けやすいので、湿気がこもりにくくカビやダニが繁殖しにくくなります。

2.無垢材がおすすめ

無垢材のすのこベッド

多くのベッドフレームには、塗装や接着剤が使用されています。

そして、その中に含まれているホルムアルデヒドなどの化学物質が、アトピー性皮膚炎の発症、増悪の原因である事が最新の研究で指摘されています。

アトピー体質の人はシックハウス症候群にかかりやすい一方、シックハウス症候群の患者さんは高い確率でアトピー性疾患が合併することも知られています。

環境化学物質とアトピーより引用)

そのため、通気性が良くホルムアルデヒドの影響を受けにくい、無垢材のすのこベッドがアトピー性皮膚炎にはおすすめとなります。

3.脚があるベッド

脚があるすのこベッド

脚がある事も、通気性を良くするためには必要不可欠です。

脚がある事でベッド下に空間が広がっていて、マットレスの下からも新鮮な空気を取り込めます。

また、ベッド下の掃除がしやすいので、寝具周りを衛生的に保ちやすくなっています。

 

逆に、

  • フロアベッド
  • 収納付きベッド

の2つは避けた方が良いでしょう。

フロアベッドの通気性

通気性が悪いフロアベッド

フロアベッドは脚がなくフレーム枠で囲まれていますし、空気中の湿気は下に溜まるので床に近いフロアベッドは最も通気性が悪くなっています。

また空気中に浮遊するダニの死骸や糞、花粉などの影響は、床から30cm以内が最も大きいと言われています。

寝床が低いフロアベッドは、これらの影響を受けやすいのでおすすめしません。

収納付きベッドの通気性

ベッド下収納

フロアベッド程ではありませんが、収納付きベッドもおすすめしません。

と言うのも、収納付きベッドはベッド下の「収納スペース」が空気の通り道を塞ぐため通気性が悪くなっているからです。

 

もしもフロアベッドや収納ベッドを選ぶのであれば、マットレスの下に除湿シートを敷いて湿気対策を行いましょう。

>>効果的にベッド周りの除湿をしてカビ対策。除湿シート・ベッドパッドがおすすめ!

4.スプリングマットレスを使う

ボンネルコイルマットレス

マットレスにはポケットコイルやボンネルコイルのような「スプリングマットレス」と、ウレタンや樹脂で作られたマットレスがあります。

通気性が良いのはスプリングマットレスで、中にコイルが入っているため空洞が多く、たくさんの空気が通り抜けます。

逆にウレタンマットレスは、蒸れやすいためカビやダニが発生しやすいだけでなく、寝汗もかきやすくなっています。

アトピー性皮膚炎におすすめ!フランスベッド社製マットレス

マルチラススーパースプリングマットレス

マルチラススーパースプリングマットレス

53,976円~

また、

  • マルチラススーパースプリングマットレス
  • ゼルトスプリングマットレス

と言ったフランスベッド社製マットレスは「高密度連続スプリング」で、通気性に優れています。

特にマルチラススーパースプリングマットレスは、衛生マットレスとして全日本ベッド工業会の認定を受けていて、抗菌・防臭・防ダニ加工が施されています。

アトピー性皮膚炎におすすめ【無垢材すのこベッド】

アトピー性皮膚炎の方には、通気性に優れていてカビやダニ、ホルムアルデヒドの影響を受けにくい無垢材すのこベッドがおすすめです。

総桐すのこベッド Kirimuku キリムク

総桐すのこベッド Kirimuku キリムク

総桐すのこベッド Kirimuku キリムク

サイズ材質価格
セミシングル~ワイドK28033,781円~

こちらも、【fiume】フィウーメ同様に総桐すのこベッドです。

特徴としては、サイズ展開がセミシングル~ワイドキングまで対応している事。

ご家族そろって、快適なベッドで睡眠を取りたい方におすすめです。

【新】すのこ ベッド 木製 日本製 国産 宮付 ひのき 香凛 かりん

ひのきすのこベッド『香凛 かりん』

【新】すのこ ベッド 木製 日本製 国産 宮付 ひのき 香凛 かりん

サイズ材質価格
シングル~ダブルヒノキ43,206円~

『香凛かりん』は、天然木のヒノキを使用しているすのこベッドです。

リラックス・殺菌・防虫、防ダニ効果があり、フレームの高さ調整が可能なので、高く設定する事で通気性を向上できます。

ヒノキの調湿機能によって、マットレスや布団の余分な湿気をコントロールしてくれます。

北欧デザインコンセント付きすのこベッドStogenストーゲン

Stogenストーゲン

北欧デザインコンセント付きすのこベッドStogenストーゲン

サイズ材質価格
シングルフレーム:パイン材、床板:桐48,737円~

Stogenストーゲンは、インテリア性と通気性を兼ね備えたすのこベッドです。

フレームはパイン材で北欧風に仕上げてあり、肌触りが滑らかで見た目の暖かさもあります。

ヘッドボードは、吹き抜け仕様なので爽やかな印象となっています。

>>すのこベッドはこちら!

アトピー性皮膚炎におすすめの寝具

寝具の中でもアトピー性皮膚炎におすすめなのは、防ダニ加工が施されていて、丸洗いが可能な商品です。

  • ボックスシーツ
  • 枕カバー
  • 毛布
  • 敷きパッド
  • 掛布団

を紹介いたします。

ボックスシーツ


抗菌・防臭・防ダニで洗える上に、オールシーズン使用出来るボックスシーツです。

枕カバー


綿100%で吸水性が高く、防ダニ・抗菌・防臭の枕カバーです。

300本高密度生地を使っていて、肌触りが柔らかく、アトピー性皮膚炎の敏感な肌にストレスをかけません。

毛布


こちらは秋冬用の毛布で、丸洗いOK、抗菌防臭、防ダニ加工となっています。

二枚重ねになっているので、寒い季節に最適です。

敷きパッド


丸洗いOKで抗菌・防臭・防ダニ加工が施されていて、オールシーズン使える敷パッドです。

掛布団


軽量特殊繊維を使っていて、体にフィットする特殊キルト構造になっています。

抗菌・防臭・防ダニ加工で丸洗い可能な上に、ほこりが出にくいのでアトピー性皮膚炎にはおすすめです。

まとめ

アトピー性皮膚炎のベッド周りの主な悪化要因は、

  1. カビ・ダニ・花粉・ペットの毛等
  2. 唾液や汗、皮脂汚れ
  3. 寝具との摩擦

の3つが挙げられます。

寝具類は抗菌・防臭・防ダニ加工が施されている商品を選び、ベッドは、カビやダニの影響を受けにくく寝床内環境を整えやすい無垢材のすのこベッドがおすすめです。

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