- ベッドに茶色い虫が!
- 気持ち悪いから駆除したい!
- 虫が寄り付かないマットレスは?
身体と心の疲れを癒してくれるベッドが、もしかすると小さな虫の住処になっているかもしれません。
私は睡眠・寝具指導士、睡眠・寝具インストラクター、寝具ソムリエの資格を持っていますが、ベッドやマットレスは衛生的に使用しないと逆に健康を損ねる恐れがあります。
そこでこの記事では、チャタテムシ・ヒメマルカツオブシムシ・トコジラミと言った虫の外観や生態、更に駆除方法をご紹介します。
正しく駆除したでベッドでより良い睡眠を手に入れましょう。
虫が生息する原因は湿気や汗!
そもそもいったいなぜベッドに虫が付いてしまうのでしょうか?
「ベッドの上で食べたり、お風呂に入らずに寝ることもないのに」と思う方も多いかと思います。
しかし多くの虫は、食べ物や汚れが原因で発生するわけではありません。
では何が原因なのか、実はマットレスにこもった湿気です。
コイルマットレスは通気性が良いですが、完全に湿気を逃す事は出来ません。
寝ている間に人はコップ1杯分の汗をかくといわれています。
この汗はマットレスの裏側に蓄積して、カビを発生させる事で虫をおびき寄せるのです。
虫は湿気で増えたカビを食べる
マットレスは大きくて重いため、定期的に天日干しをしたり風通しの良い場所で立てかけることが難しく、寝具の中でも特に手入れがしにくいものです。
またマットレスを床に直置きしたり、ベッド下と床の間に物を詰め込みすぎると、その分湿気が籠りカビが発生しやすくなります。
虫の多くはこのカビを食べて生きるので、繁殖を抑えるには湿気・カビ対策が必須です。
ベッドに生息する虫の種類
カビを餌にしている虫は主に
- チャタテムシ
- ヒメマルカツオブシムシ
- トコジラミ
の3つの種類がいます。
大きさや見た目に特徴があるので、もしベッドやマットレスにいるのを見つけたら次のことから種類を特定できます。
チャタテムシ
まず、大きさが1~3ミリほどで触角が生えており、色が薄透明な茶色や黒色の場合、それは「チャタテムシ」の可能性が高いです。
あまり聞かない名前かもしれませんが、日本家屋には間違いなく生息しているといわれています。
たまに「トコジラミ」に間違えられますが、トコジラミはチャタテムシよりも大きく5mmから7mmほどの大きさで、カビではなく血を吸って繁殖します。
またトコジラミは、現在日本ではほとんど見られないので過度に心配する必要はありません。
チャタテムシはあまりにも小さいため目をこらさなければ見えず、見つけてもぴょんぴょんと跳び回っているため捕えにくい虫です。
梅雨時から10月にかけて活発に活動して、1匹見つかれば何匹もいると思ってよいでしょう。
チャタテムシが与える2つの害
チャタテムシ自体に刺咬の恐れは無いので実害は少ないのですが、放置しておくと、
- ツメダニの繁殖につながる
- アレルギー反応を引き起こす
と言った悪影響が出てきます。
ツメダニの繁殖につながる
チャタテムシの引き起こす悪影響で一番問題なのが、「ツメダニの繁殖につながる」事です。
チャタテムシはツメダニ(人を刺す)の餌になるので、チャタテムシを放置しておくとツメダニが増え、いずれ刺咬被害に遭ってしまう可能性があります。
アレルギー反応を引き起こす
チャタテムシの死がいを吸ってしまう事で、喘息などのアレルギーを引き起こしてしまうことがあります。
チャタテムシがいるという事は、「カビ」や「ツメダニ」もセットでいると考えた方が良いので、マットレスの湿気を改善しないといずれ病気になってしまうかもしれません。
特に赤ちゃんや小さいお子さんがいる家庭では、チャタテムシはすぐに駆除しましょう。
>>喘息ベッド5選&おすすめマットレス【睡眠・寝具指導士が選び方を解説】
チャタテムシの駆除方法
チャタテムシの有効な駆除方法は、
- 除湿
- カビ取り
- バルサン
- ハーブタイプのスプレー
の4つがあります。
1.除湿
チャタテムシは、気温25度以下、湿度55%以下では成長しないといわれています。
活動が活発になる梅雨時期から夏の終わりは、マットレスの除湿をすることで繁殖を予防出来ます。
そのため、マットレスの下に除湿シートを敷いたり、エアコンの除湿(ドライ)を付けるなどしましょう。
2.カビ取り
チャタテムシは主にカビを餌にしているので、消毒用エタノールでカビを取り除くのが一番有効です。
マットレスの裏側を見て、カビが繁殖しているようであれば、それがチャタテムシの繁殖の原因なので、しっかりとカビ取りを行いましょう。
消毒用エタノールでカビ取り
マットレスのカビ取りは消毒用エタノールをスプレーして、1時間ほどおいて浸透するのを待ちます。
その後、ぬるま湯で湿らせた雑巾で、カビを拭き取ります。
ポイントは、こすらずにつまみ取るように拭くことです。
一回ではカビが落ちない事があるので、数回繰り返し行いましょう。
チャタテムシはカビを消毒すると、餌となるカビやホコリ、フケ、人の皮脂などの酵母が除菌されるため、エサが無くなって次第に減少します。
>>マットレスのカビ取り方法4選&カビの悪影響|睡眠・寝具指導士監修
3.バルサン
バルサンは、部屋中のチャタテムシを駆除出来ます。
但しマットレスを敷いたままだと、チャタテムシやカビが繁殖しやすいマットレスの裏側の駆除が不十分になるので、マットレスを立てかけた状態でバルサンを使いましょう。
4.ハーブタイプのスプレー
バルサンは強力にチャタテムシを駆除できますが、寝具に使うのに抵抗がある方もいらっしゃると思います。
そういう場合は、殺虫成分が入っていないハーブタイプのスプレーをマットレスに吹き付ける事をおすすめします。
高い防虫力があり、効果が1カ月ほど持続します。
ただし原料がハーブなので、ハーブ特有の匂いが気になるかもしれません。
ハーブが苦手な人は、店員の方に確認してにおいが強くないものを選ぶのが良いでしょう。
ヒメマルカツオブシムシ
ゴマつぶより少し大きいくらいで、ふさふさした毛のようなものが生えた茶色の虫は「ヒメマルカツオブシムシ」の幼虫です。
カビだけでなく人間の皮脂や角質汚れも餌にするため、ベッドだけでなく衣類につくこともあります。
餌は少量で済み、絶食状態が続いても半年以上生き延びるというすさまじい生命力がありとても厄介です。
ヒメマルカツオブシムシの害
ヒメカツオブシムシは、洋服を干している時に衣類に付着して家の中に侵入し、そこで卵を産み繁殖します。
成虫は幼虫と違い寿命は約1ヵ月ほどですが、その間に20~100個の卵を産み、数粒~10個くらいを衣類に産み付けるようです。
その卵がすべて孵化し、幼虫に成長すると考えると恐ろしいですよね・・・
ヒメマルカツオブシムシは、衣類の虫食いの原因となる虫です。
ベッド周りではほこりやカビ、シーツやマットレスの繊維が餌となります。
繊維を食べるのはヒメマルカツオブシムシの幼虫で、成虫になると野外に飛んでいき花の蜜や花粉を食べます。
虫食い以外の実害はないですが、大量に発生すると気持ちの良いものではないですよね?
ヒメマルカツオブシムシの駆除方法
チャタテムシとヒメカツオブシムシ、どちらも殺虫剤には弱いので、根本的に駆除するならバルサンなどの燻煙剤が効果的です。
また、ヒメマルカツオブシムシもハーブタイプのスプレーでマットレスに寄せ付けさせない事も出来ます。
しかし、それ以外にも
- シーツ類を洗濯する
- 虫干しをする
- 部屋を掃除する
と言った対策が大切です。
1.シーツ類を洗濯する
カビや人間の皮脂を餌にしているヒメカツオブシムシには、ベッドシーツや枕カバー、ベッドパッドを小まめに洗濯する事が大切です。
夏場は1週間に1回、冬場でも2週間に1回はシーツ類をまとめて洗いましょう。
また洗濯物を取り込む際は、ヒメカツオブシムシが付着してない事を確認して下さい。
2.虫干しをする
ヒメマルカツオブシムシは、湿度の高いところを好みます。
窓をあけた状態でマットレスを立てかける事で、湿気を追い出す事が出来ます。
梅雨など湿度が高い場合は、エアコンのドライをつけた状態でマットレスを半日ほど立てかけておきましょう。
3.部屋を掃除する
ヒメマルカツオブシムシは、床に落ちたホコリや人間・ペットの毛なども餌にします。
マットレスだけでなく、ベッドの下などホコリが溜まりやすい場所も徹底して掃除をして下さい。
トコジラミ
最後の虫はトコジラミです。
名前にシラミとありますが、実はカメムシの仲間で吸血性の寄生昆虫になります。
刺されると体内に抗体反応が起こり、ダニに刺されたように赤く腫れあがり強烈な痒みを伴うのが特徴です。
トコジラミは東京オリンピックの頃は日常的に見かけていましたが、その後減少してほとんど日本の家屋から姿を消していました。
しかし2007年ごろを境に次第に増加し始めていて、全国で被害が確認されています。
トコジラミの害
トコジラミは成虫になっても5~8mmと小さく、色は褐色で羽は無く、丸く扁平な体型をしています。
そんなトコジラミが与える害には、
- 吸血された箇所が赤く斑点のように腫れあがる
- 痛みと痒みを伴う
があります。
吸血された時に気付く人は少なく、赤く腫れあがったのを見て虫の存在に気付くケースが多いようです。
やっかいなのは刺された場所の強烈な痒みで、睡眠を取れずに不眠症になったり、精神的なダメージを負う方もいらっしゃいます。
トコジラミが原因の感染症は確認されていませんが、部屋や寝具が衛生的かどうかは関係なく繁殖するので家中に被害が広がる可能性があります。
トコジラミに噛まれた場合には、放置せずに必ず医療機関を受診するようにして下さい。
トコジラミの駆除方法
トコジラミは家中の湿気ている場所や暗い所に繁殖します。
全てのトコジラミを駆除するのは非常に難しく、少しでも残っていると再び繁殖を繰り返す恐れがあります。
まずはトコジラミを1匹捕まえる
赤く腫れた症状だけではトコジラミかどうかを判別するのは困難なので、医師や業者が判断出来るようにトコジラミを一匹捕まえておきます。
袋に入れて口を縛り、逃げない状態にして業者に確認をお願いしましょう。
応急処置として掃除機で吸い取る
トコジラミがたくさんいると、それだけ被害が拡大するので、一時しのぎではありますが掃除機で家中を綺麗にします。
布団やシーツ類は洗濯して、マットレスの裏側までしっかりと掃除機をかけます。
掃除した後は必ずゴミを袋に入れて口を縛り、すぐに廃棄して下さい。
専門業者で駆除
最終的には専門業者にトコジラミを見せて、確認してから本格的な駆除を行います。
トコジラミのメスはたくさんの卵を産みますし、卵の大きさは1mm程度と小さく、肉眼で発見する事は困難です。
また、コンセントの裏側やベッドの隙間などありとあらゆるところに卵を産み付けている可能性があるため、個人で駆除を行うのは現実的ではありません。
業者では、殺虫剤駆除や加熱駆除と言った方法で成虫から卵までしっかりと根絶してくれるので、多少費用が嵩んでも依頼する価値はありますよ。
ベッドに虫が付いたら買い替えも検討する
一般的にマットレスの寿命は5年程度、どんなに長くても10年は持たないと言われています。
しかし、1度購入したら買い替えずそのままの方も多いのではないでしょうか?
もしチャタテムシやヒメカツオブシムシを発見し、同じマットレスを10年以上使い続けているという場合は、これを機に新しいマットレスに交換することを検討しましょう。
買い替える時は抗菌機能が付いているマットレス
買い替える時は、「抗菌」仕様のマットレスにしましょう。
と言うのも、チャタテムシやヒメカツオブシムシは完全に駆除したつもりでも、何匹か生き残りがいる可能性が高いので、また同じ被害にあいやすいからです。
抗菌仕様のマットレスにする事で、餌となるカビの繁殖を抑える事が出来ます。
おすすめのマットレス【マルチラススーパースプリングマットレス】
53,976円~
おすすめなのが、フランスベッド社製の「マルチラススーパースプリングマットレス」です。
抗菌・防臭・防ダニ仕様で、虫やダニ、カビを寄せ付けません。
また空気孔が付いているため、通気性にも優れていて虫が好む湿気も軽減出来ますよ。
まとめ
ベッドに生息する主な虫は「チャタテムシ」と「ヒメマルカツオブシムシ」「トコジラミ」の3種類がいますが、湿気・カビ対策や駆除する事で被害を最低限に抑えられます。
刺されると強烈な痒みで眠れない虫や、アレルギーの原因になる事もあるので早急に対応して下さい。