- 乳幼児が落ちないようにベッドガードを使っている(×)
- 乳幼児が落ちないようにベッドに壁をくっつけてそこに寝かせている(×)
- 高さがあるベッドに赤ちゃんを寝かせている(×)
上の問いに一つでも該当する方は注意が必要です!
大人用ベッドで赤ちゃんと添い寝をする時に、「ベッドガード」を使う人も多いですが、正しい使い方を知らない人がほとんどです。
赤ちゃんがベッドから落ちない目的で使用するベッドガードですが、実はマットレスとベッドガードの隙間に挟まって死亡する事故が毎年発生しています。
私はベッドショップオーナーで、睡眠・寝具指導士、睡眠・寝具インストラクター、寝具ソムリエの資格を保有していますが、ベッドガードを正しく使っていれば防げた事故ばかりです。
そこでこの記事では、消費者が注意喚起しているベッドガードの使い方と、ベッドガードを使用しないで添い寝が出来るフロアベッドを紹介します。
ベッドガードで赤ちゃんが死亡した事故
消費者庁の発表資料によると、東京都内で同年9月12日、大人用ベッドで寝ていた6か月の男児がベッドガードとマットレスの間に挟まり、死亡した状態で発見された。
事故の報告が同庁にあったのは9月20日で、詳しい状況は不明だ。東京都内では8月8日にも、同じ状況で1歳未満の男児が病院に搬送後、亡くなる事故があったばかりだ。
(J-CASTニュースより引用)
2017年9月12日にも東京都内で生後6カ月の男児が、ベッドガードとマットレスの間に挟まり、死亡する事故が起きました。
実はその1カ月前にも、大人用ベッドで1人で寝ていた0歳児が死亡する事故が発生しています。
消費者庁が注意喚起をしているが・・
消費者庁は、
大人用ベッドに取り付ける幼児用ベッドガードは、一般財団法人製品安全協会が定めた安全基準(SG基準)では、生後18か月未満の子どもには使用しないよう定めているので、注意してください。
(消費者庁のホームページより引用)
と注意喚起をしています。
ベッドガードは、赤ちゃんがベッドから転落することを防ぐための柵で、お母さん・お父さんが子どもと大人用ベッドで添い寝する際などにベッドの側面に取り付けるものです。
しかしベッドガードが外側にずれて、マットレスとベッドガードの間に隙間が出来る事があり、そこに赤ちゃんが挟まれて窒息する事があります。
身体が小さい赤ちゃんの場合、ちょっとした隙間でも挟まれる事があります。
製品安全協会は「生後18カ月未満の子どもに使用しない」という安全基準を定めていますしメーカーの取扱説明書にも記載があるのですが、ほとんどの親御さんはこの事を知らないのではないでしょうか?
ベッドガードの事故は国内外で発生している
悲しいことに、国内だけではなく海外でも赤ちゃんがベッドガードに挟まって死亡する事故が起こっています。
大人用ベッドに取り付ければ、成長に合わせてベッドを買い換えなくて済むのでとても人気がありますが、アメリカ小児科学会では、(通気性が高いとうたわれているものであっても)ベビーガードを使わないように推奨している程です。
特に生後間もない乳幼児の場合、身体が非常に小さいので
- ベッドガードとマットレスの間
- ベッドガードと壁の間
- マットレスとマットレスの間
- マットレスと壁の間
などちょっとした隙間に挟まってしまう事があります。
ベッドガードによる事故を防ぐために出来る事
生後5~6ヶ月になると、自然と赤ちゃんは寝返りを始めてしまいます。
これは順調に成長している証なのですが、昨日までおとなしく大人用ベッドで寝ていた赤ちゃんが、今日寝返りを始めてベッドガードに挟まれた・・・
そんな悲劇は絶対に無くさなくてはいけませんよね?
そのためには、
- 生後18か月まではベビーベッドか布団を使う事
- ベッドガードを正しく設置する
- エアベッドガードやベッドインベッドを使う
- フロアベッドを使う
と言った対策を立てる事が必要です。
生後18か月まではベビーベッドか布団を使う事
大人用ベッドに取り付ける幼児用ベッドガードは、生後18か月未満の乳幼児には絶対に使用しないでください。子どもが隙間に挟まり、自力で抜け出せずに窒息するリスクがあります。製品購入前に子どもがその製品の対象月齢か確認し、購入後は使用前に、製品の取扱説明書や注意表示をよく確認しましょう。
- 米国消費者製品安全委員会(CPSC)では、ベッドガードの使用を生後 18 か月から 60 か月(5歳)までと定めています。日本でも一般財団法人製品安全協会が定めた安全基準(SG 基準)では、生後 18 か月未満には使用しない旨の本体表示を義務付けています。
- 平成 29 年度に0歳児が、大人用ベッドとベッドガードに挟まれて死亡する事故が2件発生しています。
>>0~1歳児の大人用ベッドからの転落事故に御注意ください(消費者庁ホームページより抜粋)
消費者庁が注意喚起している通り、ベッドガードを使って大人用ベッドで添い寝をするのは生後18か月を過ぎてからにしましょう。
それまでの間は、ベビーベッドか布団で寝かせる事で不幸な事故を防ぐことが出来ます。
ベビーベッドは通常生後24か月まで安全に使用する事が出来ますし、周囲全部を柵で囲まれている上に、赤ちゃんが落ちるような隙間もありません。
また、添い寝をするときには大人用ベッドではなく、畳の上に布団を敷いて寝かせて上げて下さい。
畳の上であればどれだけ転がっても、落下する事も隙間に落ちる事もありません。
但し、この場合は部屋の中をしっかりとチェックする必要があります。
布団で添い寝する時の注意点
布団で添い寝をする分には、赤ちゃんが挟まれて窒息する事故を防ぐ事が出来ます。
しかし基本的に赤ちゃんは、
- なんでも口に入れる
- 興味があれば何処にでも行く
- 頭でっかちなので、すぐに転ぶ
と言う習性があります。
散らかっている部屋では落ちているものを口にして窒息する事もあります。
何処にでも行くし、興味があるものはすぐに引っ張り出すので、危ないものは手の届かない場所に移動する必要があります。
また、頭でっかちですぐに転ぶので、タンスやテレビボードなど角が尖っているものには、ガードを付けるようにしましょう。
ベッドガードを正しく設置する(例)
生後18か月を過ぎた赤ちゃんと添い寝をする時には、ベッドガードを使用しても大丈夫ですが、意外に正しく設置出来ていない事が多いようです。
正しく設置していないと、マットレスとベッドガードに余分な隙間が出来てしまうので、必ず取扱説明書に従って組立・設置を行ってください。
あくまで一例ですが、ベッドガードの設置方法をご覧ください。
エアベッドガード・ベッドインベッド・フロアベッドは安全?
大人用ベッドで赤ちゃんと添い寝をする時に、ベッドガード以外にも「エアベッドガード」や「ベッドインベッド」と言った商品があります。
エアベッドガード
エアベッドガードとは、中に空気を入れた三角形のベッドガードです。
クッションになっているのでぶつかっても痛くないですし、ベッドガードのように隙間に挟まる心配もありません。
また、裏には滑り止めも付いているので、赤ちゃんがもたれ掛かっても滑り落ちる心配もないですよ。
ベッドインベッド
またベッドインベッドと言う落下防止グッズもあります。
大人用ベッドに赤ちゃんを寝かせる時に使用するもので、両サイドに転がらないようにする商品となっています。
赤ちゃんの成長に合わせて、三角クッションの幅を変える事が出来ますし、洗濯も可能なので衛生的にご使用する事が出来ます。
但しこれらは商品によって対象年齢(月齢)が大きく異なるので、購入前に必ず確認するようにして下さい。
フロアベッドを使う
赤ちゃんグッズの代表とも言うべきベッドガードですが、毎年のように事故の報告がある事を考えると、過信するのは避けた方が良いでしょう。
和室があれば布団を敷いて赤ちゃんと添い寝する方が良いですが、洋室しかないのであればフロアベッドがおすすめです。
フロアベッドは床からの高さが15㎝程度しかないので、落下しても怪我のリスクが低く、床にカーペットやコルクマットを敷いておけばベッドガードを取り付ける必要もありません。
サイズもクイーンベッドやキングベッド、ワイドキングベッドなどあるので、親子でゆったりと寝る事が出来ます。
それでは添い寝に適しているフロアベッドを2つご紹介します。
親子で寝られる棚・照明付き連結ベッド【JointJoy】ジョイント・ジョイ
サイズ | 価格 |
セミシングル~ワイドK280 | 46,507円~ |
【JointJoy】ジョイント・ジョイの良い所は、フレーム枠にマットレスをはめ込むタイプなので、高さが低い事とマットレスとマットレスの間に隙間がほとんどない事です。
また、ベッドフレームは合皮張りなので、ぶつかっても怪我をするリスクがほとんどありません。
ヘッドボードには棚が付いているのでおしり拭きシートを置く事も出来ますし、ライトがあるので夜間の授乳の際にも便利ですよ。
販路限定/棚・コンセント付き連結ベッド/ラトゥース2 Lautus2
販路限定/棚・コンセント付き連結ベッド/ラトゥース2 Lautus2
サイズ | 価格 |
クイーン~ワイドK280 | 38,846円~ |
ラトゥース2 Lautus2は、連結部の隙間を極力なくしてあるので、マットレスの隙間に挟まれるリスクを軽減しています。
照明はないですが、夜泣きがほとんどなく寝つきの良い赤ちゃんなら、こちらのフロアベッドの方が良いかもしれません。
フローリングにはコルクマットを敷く
フロアベッドを使用していても、赤ちゃんが落下する可能性は十分にあります。
そんな時にフローリングがむき出しになっていると、怪我をしないまでも赤ちゃんが痛い思いをするのは間違いありません。
絨毯やラグを敷いているご家庭も多いですが、これらはクッション性が乏しい上にダニがたくさん寄り付くので赤ちゃんにとって快適ではありません。
フローリングにおすすめなのは、EVA樹脂が配合されている「コルクマット」でクッション性だけでなく耐久性にも優れています。
もともとコルクは吸放湿性に優れているので、部屋の余分な湿気を吸い取ってくれて表面はいつでもサラサラとして快適に横になる事が出来ます。
また、コルクには天然の防虫成分「スぺリン」が含まれているのでダニや虫を寄せ付けないのでアレルギーがある赤ちゃんに特におすすめですよ。
ベッドガードの事故まとめ
赤ちゃんがベッドから転落しない目的で使用する「ベッドガード」ですが、毎年のように死亡事故が報告されています。
消費者庁が注意喚起しているように生後18か月未満でベッドガードを使うと、マットレスとベッドガードとの間に隙間が出来て、そこに赤ちゃんがはまってしまい窒息する事があります。
事故を起こさないためにも、エアベッドガードやベッドインベッド、フロアベッドを使う事も視野に入れましょう。