- ベッドや布団に小さい虫がいるけれど、何の虫?
- 茶色・白っぽい虫はどう見分ければいい?
- マットレス周りの虫はどう駆除・予防する?
ベッドや布団の周りで小さな虫を見つけても、原因や対処法は虫の種類によって異なります。
私はベッドショップオーナーで、睡眠環境・寝具指導士、睡眠・寝具インストラクター、寝具ソムリエの資格を持っていますが、まずは「見た目」「大きさ」「見つけた場所」「吸血被害の有無」から、虫の種類を絞り込むことが大切です。
- 1mm前後の小さな虫:チャタテムシの可能性。湿気やカビが多い環境で増えやすい
- 毛のある茶色い幼虫:ヒメマルカツオブシムシの可能性。衣類や繊維製品への食害に注意
- 5~8mmほどの褐色の虫:トコジラミの可能性。人や動物を吸血するため早めの対応が必要
特にトコジラミは、湿気やカビが原因で発生する虫ではありません。虫をすべて「マットレスの湿気」が原因と考えず、種類に合った対策を行いましょう。
ベッドや布団にいる小さい虫の見分け方
| 特徴 | 考えられる虫 | 主な確認ポイント |
|---|---|---|
| 1mm前後で非常に小さい | チャタテムシ | 湿気・カビが多くないか |
| 茶色く、幼虫に毛がある | ヒメマルカツオブシムシ | 衣類・毛・ほこりなどの周辺 |
| 成虫で5~8mm程度、褐色で扁平 | トコジラミ | 吸血被害・血糞・ベッド周辺の隙間 |
見た目だけで正確に特定できないこともあります。特に刺された跡だけではトコジラミと断定できないため、虫そのものやベッド周辺の痕跡も確認してください。
1mm前後の白〜薄茶色の小さな虫:チャタテムシの可能性

チャタテムシには複数の種類がありますが、室内で見られるヒラタチャタテは体長1~1.3mmほどで、多湿な環境を好みます。
カビを食べると繁殖しやすいため、ベッド周辺で見つけた場合は虫だけを駆除するのではなく、湿気やカビが発生していないか確認することが重要です。
チャタテムシがいたら湿気とカビを確認

マットレスの裏側、ベッドと壁の間、床板周辺などは空気がこもりやすい場所です。
特にマットレスを床に直置きしている場合や、ベッド下に荷物を詰め込みすぎている場合は、空気の通り道を確保できているか確認しましょう。
農研機構では、ヒラタチャタテについて湿度60%以下になると発生を抑えられるとしています。
チャタテムシの対策
- 室内を除湿する
- カビが発生している場所を確認して適切に清掃する
- ベッド周辺や床のほこりを掃除する
- マットレスを定期的に立てかけるなど、湿気を逃がす
除湿シートやエアコンの除湿機能を利用するのも、湿度管理の方法のひとつです。
殺虫剤を使用する場合は、対象害虫や使用場所を製品表示で確認し、記載された使用方法を守ってください。
>>マットレスのカビ取り方法4選&カビの悪影響|睡眠環境・寝具指導士監修
ヒメマルカツオブシムシ|毛のある茶色い幼虫

ベッド周辺で、茶色く毛の生えた小さな幼虫を見つけた場合は、ヒメマルカツオブシムシの可能性があります。
ヒメマルカツオブシムシは幼虫がウールなどの動物性繊維や乾燥した動物質などを食害する衣類害虫として知られています。
ベッドだけの問題と考えず、寝室の衣類、カーペット、毛やほこりがたまりやすい場所なども確認しましょう。
ヒメマルカツオブシムシの対策
- ベッド下や家具の隙間まで掃除する
- シーツやカバー類を洗濯する
- 衣類や繊維製品も確認する
- 発生源になりそうなほこり・毛などをためない
ベッドの下や壁際、家具の隙間などは、普段の掃除で見落としやすい場所です。マットレスだけでなく寝室全体を確認しましょう。
殺虫剤や防虫剤を使用する場合も、ヒメマルカツオブシムシが対象になっているかを製品表示で確認してください。
トコジラミ|吸血する5~8mmほどの虫

トコジラミは「南京虫(ナンキンムシ)」や「ベッドバグ」とも呼ばれる吸血性の昆虫です。
成虫は5~8mm程度で、丸く扁平な体をしています。夜間などに潜伏場所から出て、人や動物を吸血します。
チャタテムシとは異なり、トコジラミはカビを餌にする虫ではありません。
衣類や荷物などに付着して室内へ持ち込まれることがあり、ベッド・布団の周辺、ソファーの隙間、家具の裏、壁や床の隙間などに潜むことがあります。
トコジラミを疑うポイント
- 5~8mm程度の褐色で扁平な虫を見つけた
- ベッド周辺の隙間などに虫や抜け殻がある
- ベッド周辺に血糞と呼ばれる黒っぽい痕跡がある
- 就寝中に吸血被害が疑われる
刺された跡だけでは原因となった虫を特定できません。虫や痕跡を見つけた場合は、被害を広げないよう早めに対応してください。
トコジラミを見つけたときの対処法
厚生労働省は、トコジラミを見つけた場合、被害拡大を防ぐため専門知識を持つ業者へ調査・防除を依頼することを案内しています。
掃除機による吸引や熱処理などは補助的な方法として利用されますが、トコジラミは狭い隙間にも潜み、薬剤への抵抗性を持つ個体群もあるため、自己流の対策だけで完全に駆除するのが難しい場合があります。
トコジラミを疑ったら
- ベッドや布団周辺、家具の隙間などを確認する
- 見つけた虫や痕跡を記録する
- むやみに物を別の部屋へ移動させない
- 被害が確認されたら専門業者への相談を検討する
トコジラミは「部屋が汚いから発生する」「マットレスが湿っているから発生する」とは限りません。通常の湿気対策だけではトコジラミ対策にならない点にも注意してください。
虫を予防するためのベッド・マットレスのお手入れ

虫の種類によって原因は異なりますが、ベッド周辺を確認しやすく、清掃しやすい状態にしておくことは大切です。
ベッド下を定期的に掃除する
ベッド下はほこりや毛がたまりやすいため、定期的に掃除します。
収納付きベッドの場合も、引き出し周辺やベッドと壁の隙間など、手が届きにくい場所をときどき確認しましょう。
マットレスの湿気を逃がす
チャタテムシやカビ対策では湿度管理が重要です。
マットレスを定期的に立てかける、寝室を換気する、エアコンや除湿機を使う、必要に応じて除湿シートを使うなど、住環境に合わせて湿気をためにくくしましょう。
ただし、湿気対策ですべての虫を予防できるわけではありません。トコジラミのように外部から持ち込まれる虫は別の対策が必要です。
シーツやカバーを洗濯する

シーツ、枕カバー、ベッドパッドなどは、素材や洗濯表示に従って定期的に洗濯しましょう。
「何日に1回」と一律に決めるのではなく、汗をかく量や季節、使用状況に応じて清潔を保つことが大切です。
虫が出たらマットレスは買い替えるべき?
虫を見つけたからといって、すぐにマットレスを買い替える必要があるとは限りません。
まず虫の種類と発生範囲を確認し、清掃・除湿・専門業者による防除など、原因に合った対策を優先します。
一方で、マットレス内部まで著しく汚損している、カビや劣化が進んでいる、適切な処置が難しいなどの場合は、対策後に買い替えを検討する選択肢もあります。
トコジラミの場合は、自己判断でマットレスだけを別の場所へ運ぶと被害を広げる可能性があるため、処分や移動についても専門業者などに相談してから判断すると安心です。
ベッドの虫に関するよくある質問
A. チャタテムシの可能性はありますが、見た目だけで断定はできません。大きさや動き、発生場所、周囲の湿気やカビの有無も確認してください。
A. 茶色い虫には複数の種類があります。トコジラミの成虫は5~8mm程度ですが、ヒメマルカツオブシムシなど別の虫の可能性もあります。吸血被害や血糞、ベッド周辺の隙間に潜んでいないかも確認しましょう。
A. チャタテムシの発生抑制には湿度管理が重要ですが、すべての虫に共通する対策ではありません。特にトコジラミは湿気が発生原因ではないため、虫の種類に合わせた対応が必要です。
A. マットレスの種類だけで虫の発生を完全に防ぐことはできません。素材や構造だけで判断せず、ベッド周辺の清掃、湿度管理、寝具の洗濯などを続けやすい環境を整えることが大切です。
A. 潜伏場所を特定しにくく、薬剤抵抗性の問題もあるため、完全な駆除が難しい場合があります。被害を確認した場合は、早めに専門知識を持つ防除業者へ相談するのが確実です。
まとめ
ベッドや布団で小さな虫を見つけたら、すべてを「湿気が原因の虫」と考えず、まず種類を見分けることが大切です。
- チャタテムシ:湿気やカビが多い環境を確認し、除湿・清掃を行う
- ヒメマルカツオブシムシ:寝室だけでなく衣類や繊維製品、ほこりがたまる場所も確認する
- トコジラミ:吸血する虫で、湿気とは別問題。被害が確認されたら専門業者への相談を検討する
虫の種類によって必要な対策は違います。「とりあえず殺虫剤」「とりあえずマットレスを買い替える」と判断する前に、虫の特徴と発生場所を確認してから対応しましょう。
