- マットレスは硬い方が良い?
- 硬すぎる・柔らかすぎるマットレスの見分け方は?
- 硬いマットレスは後から柔らかく調整できる?
「腰痛には硬めのマットレスが良い」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
しかし、マットレスは硬ければ硬いほど良いわけではありません。柔らかすぎると腰や臀部が沈み込みやすく、反対に硬すぎると肩や腰などに圧迫感が出ることがあります。
私はベッドショップオーナーで、睡眠環境・寝具指導士、睡眠・寝具インストラクター、寝具ソムリエの資格を持っていますが、マットレスは「硬い・柔らかい」だけで判断せず、体格や寝姿勢に合った硬さ、体圧分散性、寝返りのしやすさを総合して選ぶことが大切だと考えています。
この記事では、硬すぎる・柔らかすぎるマットレスの特徴、自分に合う硬さの考え方、硬いマットレスを柔らかく調整する方法を解説します。
腰痛が気になる方のマットレス選びについては、硬さだけでなく体圧分散や寝返りまで含めて、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>腰痛の人向けマットレスの選び方|硬さ・体圧分散・寝返りを睡眠環境・寝具指導士が解説
マットレスは硬い方が良い?

結論から言うと、「硬いほど良い」とは言えません。
硬さの感じ方は、体重・体型・寝姿勢・マットレスの構造などによって変わります。
腰痛とマットレスの硬さを調べた研究では、慢性の非特異的腰痛がある成人313人を対象に、硬いマットレスと中程度の硬さのマットレスを比較したランダム化比較試験があります。
この研究では、中程度の硬さのマットレスを使用したグループの方が、硬いマットレスを使用したグループより、ベッド上での痛みや起床時の痛み、障害の一部の指標で良好な結果が報告されています。
ただし、この研究結果だけで「すべての人には中程度の硬さが最適」と断定することはできません。マットレス選びでは、自分の体格や寝姿勢に合っているかを確認することが大切です。
(参考:Effect of firmness of mattress on chronic non-specific low-back pain(Lancet))
柔らかすぎるマットレスの特徴

柔らかすぎるマットレスでは、体の重い部分が深く沈み込み、寝姿勢を保ちにくくなる場合があります。
特に腰や臀部が沈み込みすぎると、
- 腰まわりが沈み込みすぎる
- 寝返りの際に力が必要になる
- 起きたときに腰や背中に違和感を覚える
といったことがあります。
ただし、「柔らかい=悪い」という意味ではありません。体重が軽い方や横向き寝の方などは、適度に沈み込むマットレスの方が肩や腰の圧迫感を抑えやすい場合もあります。
柔らかすぎるか確認するポイント
仰向けになったときに腰や臀部だけが深く沈み込む、寝返りに力が必要、朝起きたときに体が沈み込んでいた部分に違和感がある、といった場合は柔らかすぎる可能性があります。
また、購入当初は問題がなくても、長期間の使用によるへたりで中央部分が柔らかくなることもあります。
硬すぎるマットレスの特徴

硬すぎるマットレスでは、肩・背中・腰など体の出っ張った部分に圧迫感を感じたり、体の凹凸にマットレスが沿わず寝姿勢が安定しにくくなったりすることがあります。
- 肩や腰などが強く当たる
- 横向き寝で肩や腰に圧迫感がある
- 体とマットレスの間に大きな隙間ができる
- 起床時に体の一部に違和感がある
こうした状態がある場合は、現在のマットレスが自分には硬すぎないか確認してみましょう。
フローリングのような極端に硬い面とマットレスは同じではありませんが、「硬ければ体をしっかり支えられるから良い」と単純に考えないことが大切です。
自分に合うマットレスの硬さはどう選ぶ?

自分に合う硬さを選ぶときは、体重だけでなく、体型・寝姿勢・沈み込み・寝返りのしやすさまで確認しましょう。
1.体重・体型を目安にする
体重はマットレスの硬さを選ぶ一つの目安になります。
一般的には、体重が軽い方は硬すぎるマットレスで圧迫感を感じやすく、体重が重い方は柔らかすぎるマットレスで沈み込みを感じやすい傾向があります。
一般的には、体重が軽い方はソフト寄り、体重が重い方は硬めも選択肢になります。
ただし、同じ体重でも身長・体型・筋肉量・寝姿勢によって感じ方が異なるため、体重だけで硬さを決めないことが大切です。
ウレタンマットレスのN(ニュートン)など、硬さの表示について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
>>マットレスの硬さはN(ニュートン)を目安に体重と照らし合わせて選んで!
2.寝姿勢に合わせる
仰向け寝では、腰や臀部が沈み込みすぎず、背中から腰まで無理のない姿勢を保てるか確認しましょう。
横向き寝では、肩や腰など出っ張った部分に強い圧迫感が出ないことも重要です。
寝姿勢は一晩中同じとは限らないため、普段の寝姿勢だけでなく、無理なく寝返りできるかも確認しましょう。
3.体圧が一部に集中しすぎないか確認する
マットレス選びでは硬さだけでなく、体圧を一部に集中させにくいことも大切です。
体の凹凸にある程度沿いながら支えることで、肩・腰・臀部など特定の場所だけに強い圧迫感が出るのを抑えやすくなります。
一般的にポケットコイルは、独立したコイルが体の凹凸に沿って動くため、体圧を細かく分散しやすい構造です。また、コイル数も寝心地を左右する要素の一つです。
ただし、体圧分散性はコイル数だけで決まるわけではなく、コイルの太さ・配列・詰め物・ウレタンなどによっても変わるため、あくまで目安として考えましょう。
4.寝返りしやすいか確認する
寝返りは、同じ部位への圧迫を避けたり、寝床内の温度や湿度を調整したりする自然な動きです。
柔らかすぎて体が深く沈み込む場合は寝返りに力が必要になることがあります。一方、硬すぎて体の一部に強い圧迫感がある場合も、快適に感じられないことがあります。
実際に試せる場合は、仰向け・横向きの両方で寝て、寝返りを数回してみると判断しやすくなります。
「中程度の硬さ」なら誰にでも合うわけではない
研究では中程度の硬さのマットレスが硬いマットレスより良好な結果を示した例がありますが、これは「中程度なら誰にでも合う」という意味ではありません。
そもそも「普通」「硬め」「ソフト」といった表示は、メーカーや商品によって基準や寝心地が異なります。
そのため、商品名や硬さ表示だけでなく、
- 腰や臀部が沈み込みすぎないか
- 肩や腰に強い圧迫感がないか
- 無理なく寝返りできるか
- 普段の寝姿勢を保ちやすいか
を確認する方が実用的です。
硬いマットレスを柔らかくする方法

購入したマットレスが硬すぎると感じても、すぐに買い替える必要がない場合があります。
マットレス自体に大きなへたりや破損がなければ、マットレストッパーを重ねて寝心地を調整する方法があります。
マットレストッパーとは、現在使用しているマットレスなどの上に敷き、硬さや感触を調整するための寝具です。
マットレストッパーを選ぶポイント
- 現在のマットレスが「硬すぎる」場合の調整に使う
- 柔らかくしすぎない厚み・素材を選ぶ
- 体格に対して底付き感がないか確認する
- 使用中のマットレスとの相性を確認する
なお、中央部分が大きく凹んだり、スプリングに異常があったりするマットレスを、トッパーで根本的に直すことはできません。
マットレス自体が寿命を迎えている場合は、買い替えを検討しましょう。
>>マットレスの寿命は何年?買い替え時期の4つのサインと長持ちさせる方法
硬さ調整に使える薄型マットレス
| サイズ | 価格 |
| ショート丈セミシングル~ダブル | 16,980円~ |
こちらは厚さ7cmの薄型ポケットコイルマットレスです。
現在使っているマットレスの寝心地を調整したい場合にも選択肢になります。
ただし、組み合わせるマットレスによって寝心地は変わるため、必ずしもすべての硬いマットレスを「ちょうど良い硬さ」にできるわけではありません。
腰痛が気になる場合は「硬さ」だけで選ばない
腰痛が気になる方も、「腰痛だから硬め」と決めつけるのではなく、硬さ・体圧分散・寝返りのしやすさなどを総合して選びましょう。
また、腰痛にはさまざまな原因があり、寝具だけが原因とは限りません。
強い痛みやしびれ、脚の力が入りにくい、発熱を伴う、外傷後の痛み、症状が長引く・悪化するといった場合は、マットレスだけで対処せず医療機関に相談してください。
腰痛が気になる方のマットレス選びについては、こちらで詳しく説明しています。
>>腰痛の人向けマットレスの選び方|硬さ・体圧分散・寝返りを睡眠環境・寝具指導士が解説
マットレスの硬さまとめ
マットレスは「硬い方が良い」「柔らかい方が良い」と一律に決めることはできません。
- 柔らかすぎる:腰や臀部が沈み込みすぎていないか確認
- 硬すぎる:肩や腰に強い圧迫感がないか確認
- 体格:体重だけでなく体型も考慮する
- 寝姿勢:仰向け・横向きで無理のない姿勢を保てるか確認
- 体圧分散:一部だけに強い圧迫感が集中しないか確認
- 寝返り:無理な力を使わず姿勢を変えられるか確認
硬さの表示だけで決めず、「沈み込みすぎない・圧迫感が強すぎない・寝返りしやすい」という3点を実際の寝心地で確認することが大切です。
硬すぎるマットレスで寝心地に不満がある場合は、マットレス自体に大きなへたりや破損がなければ、マットレストッパーで調整する方法もあります。

