- 寝ても寝ても、疲れが取れない・・
- 睡眠時間は取っているけれども、身体がだるくて重い・・
- マットレスが凹んで寝心地が悪い・・
ベッドで寝て疲れるのは、マットレスがへたっていたり体格に合っていない可能性があります。
自分に合っていないマットレスを使い続けると疲れるだけでなく、腰痛や肩こりの原因にもなりかねません。
私はベッドショップオーナーで、睡眠・寝具指導士、睡眠・寝具インストラクター、寝具ソムリエの資格を保有していますが、疲れが取れない方はマットレスを交換するか、トッパーで改善するのが良いと考えています。
そこでこの記事では、ベッドで疲れが取れない原因やご自身に合ったマットレスの選び方を睡眠インストラクターの視点からご説明します。
快適な眠りを得るにも、自分の体格などを考慮してベッドやマットレスを選びましょう。
ベッドで疲れが取れない原因
ベッドを使用していて疲れが取れない原因としては、
- 寝返りがスムーズに出来ない
- 耐圧分散性が低い
- ベッドサイズが不十分
- 寝床内環境が悪い
と言った事が考えられます。
1.寝返りがスムーズに出来ない
疲れる原因はいろいろと考えられますが、寝返りがスムーズに出来ないために血液やリンパの流れが悪くなっている事がまず考えられます。
人は1日に約20回の寝返りをします。
筋肉は同じ姿勢をしていると硬直して固くなる性質があり、そうなると血液やリンパが運ばれにくくなります。
寝返りが上手くできないと一部の筋肉に疲労が溜まり、血液やリンパの流れを阻害する事で疲れが抜けにくくなります。
また、血液は体中を巡る際に、酸素を運ぶと同時に疲れの原因となる老廃物を回収するので適度に寝返りが打ちやすいマットレスを選ぶ事が大切です。
低反発マットレスよりも高反発マットレス
どのようなマットレスが寝返りをしやすいかと言うと、低反発ではなく高反発マットレスです。
低反発マットレスでは、身体を動かそうとしても反発力がないのでスムーズに寝返りをすることが出来ません。
体重が軽い子供や女性であれば低反発マットレスでも大丈夫ですが、平均的な体格の成人男女は高反発マットレスの方が疲れにくくなっています。
もちろん、筋肉を傷めるくらい硬い素材はダメですが、適度な硬さを持ったマットレスの方が疲れを翌日に残さないで済みます。
2.耐圧分散性が低い
人は寝ている姿勢の時に、腰に44%、肩に33%の負担がかかっています。
そのため体にかかる荷重を分散しなければ、腰や肩への負担が大きくなってしまい腰痛や肩こりの原因となります。
ボンネルコイルとポケットコイルの違い
単に疲れが抜けないだけでなく、腰痛や肩こりの症状がある人は耐圧分散性が高いマットレスを選ばなければいけません。
人気があるマットレスと言えば「ボンネルコイルマットレス」と「ポケットコイルマットレス」の2種類ですが、ポケットコイルマットレスの方が耐圧分散性が高くなっています。
ポケットコイルマットレスの中にあるスプリング一つ一つが独立しているので、点で体をサポートしてくれて、重たい腰や肩の部分だけ適度に沈み込み痛みを軽減してくれます。
3.ベッドサイズが不十分
十分なベッドサイズも疲れを残さないためには不可欠です。
例えば赤ちゃんやペットと一緒に寝ると、翌日疲れが残る事はありませんか?
乳児は昼夜の境目がなく数時間おきに目を覚ますため、慢性的な寝不足になるのも原因ですが、それ以外にも寝返りをした時に押しつぶさないように無意識に抑制している事も要因です。
同じ体勢で長時間睡眠を取ると、一部分だけが圧迫してしまい睡眠の質も悪化するので疲れが残りやすくなります。
これと同様に、ベッドサイズが狭い・小さい場合には寝返りを無意識のうちに制御しているので、疲れが取れなくなります。
ベッドサイズの目安
快適な睡眠を取るためのベッドサイズの目安は、
- 長さ:身長+15㎝
- 幅:肩幅+両サイド20㎝ずつ
です。
通常のベッドの長さは195㎝なので、身長が180㎝以上の人はロングサイズを使用しましょう。
また、男性の肩幅の平均は45㎝、女性の肩幅の平均は41㎝なので、男性や肩幅の広い女性がセミシングルを使っている場合や、2人でセミダブルサイズのベッドで寝ている人は要注意です。
>>セミダブルベッドに2人は狭い?同棲カップルや新婚夫婦、子供と2人で寝るベッドサイズ
4.寝床内環境が悪い
入眠に時間がかかったり、寝汗をかいて中途覚醒するようであれば、寝床内環境が悪い可能性があります。
寝床内環境とは、就寝時の寝具と寝衣によって身体の周囲に形成される空間の事で、
- 温度:33度±1度
- 湿度:55%±5%
となっています。
快適な寝床内環境を整える事で寝汗をかいてもサラサラとした寝心地になり、入眠しやすく中途覚醒しにくくなります。
特に入眠してから始めのノンレム睡眠時には、疲労回復の効果がある成長ホルモンが最も多く分泌します。
そのため羽毛など保温性が高く軽量で通気性が良い掛け布団を使用すると共に、ベッドやマットレスも湿気が籠らない通気性が良い商品を選ぶようにしましょう。
通気性の良いマットレス
ゾーンコイルマットレス 抗菌防臭 防ダニ 高反発 硬め バランスタイプ zone-coil
11,424円~
マットレスの中で通気性が良いものは、ボンネルコイルマットレスやゾーンコイルマットレスです。
ポケットコイルマットレスは値段も手ごろで耐圧分散性に優れていますが、コイル一つ一つが袋にはいっているので通気性はあまり良くありません。
またウレタンマットレスも空気の通りが悪く、特に低反発ウレタンマットレスの通気性はかなり良くありません。
寝汗を良くかいたり、寝具の中がいつも湿気ているようであれば、コイルもメッシュ部分も通気性が良くなっているゾーンコイルマットレスがおすすめです。
通気性の良いベッド
これからベッドを購入する方は、すのこベッドを選ぶ事で寝具内の通気性を改善出来ます。
すのこベッドとは、マットレスを載せている床板がすのこ状に隙間があるベッドの事で、マットレスの上下から空気が入り込むので寝具内の湿度を下げる効果があります。
また日本の夏は高温多湿なので、梅雨時などは湿気が溜まるとカビが生える事もありますが、すのこベッドであればカビ対策にも有効です。
高反発マットレスの選び方
疲れが取れない時には、低反発よりも高反発マットレスが良いと前述しましたが、高反発マットレスと一口に言っても、その種類は、
- ボンネルコイルマットレス
- ポケットコイルマットレス
- マルチラススーパースプリングマットレス(フランスベッド)
- ゾーンコイルマットレス
- 高反発ウレタンをマットレス
とたくさんあります。
しかも、国産と海外製でも硬さや寝心地が異なるので、実際にはもっとたくさんの種類があると考えて下さい。
マットレス選びで大切な事は、自分の体重によって適切な硬さが異なると言う事です。
マットレスは体重に合わせて選ぶ
マットレスの硬さは大きく分けて、
- ソフト(ポケットコイル各種)
- 普通(ボンネルコイル、ポケットコイル)
- 硬め(ボンネルコイル、マルチラススーパースプリング、ゼルトスプリング各種)
の3種類がありますが、基本的にはご使用する方の体重を目安にするのが最も確かとなります。
ソフト(~体重50㎏)
硬さが「ソフト」のマットレスは、主に体重が50㎏未満の子供や細身の女性におすすめとなっています。
体重が軽い方が硬めのマットレスで寝ると反発力に体重が負けてしまい、腰や背中が浮いた状態で寝る事になります。
体重に比べて硬すぎるマットレスは疲労が抜けにくいだけでなく、筋肉が圧迫されるので痛みの原因になる事があるので注意しましょう。
普通(体重50㎏~80㎏)
体重が50㎏~80㎏の平均的な体格の成人男女は、普通の硬さが一番しっくりきます。
背骨のラインが綺麗なS字を描いて、重たい臀部や足が適度に沈み込むので体全体をマットレスが支えてくれます。
硬め(体重80㎏~)
体重が80㎏を超えるガッシリ体系の方は、硬めのマットレスで体重をしっかり支えるようにしましょう。
体重が重たい方が柔らかすぎるマットレスで寝ると、腰が「く」の字に折れ曲がってしまい圧迫するので腰痛の原因となるので注意して下さい。
(ベッドマットレスの選び方より引用)
マットレストッパーで寝心地を改善
ベッドで疲れが抜けないのであれば、マットレスを交換するのがおすすめですが、金銭的に難しいケースもあります。
そんな方は、現在使用しているマットレスの上に高反発の「マットレストッパー」を敷くだけで簡単に寝心地を改善出来ますよ。
マットレストッパーとは、メインのマットレスの上でに敷く厚み3㎝~8㎝程度の薄めのマットレスの事で、クッション性をあげて寝心地を改善してくれます。
高反発マットレス高耐久性310『エイプマンパッド』
サイズ | 厚み | 価格 |
シングル、ダブル | 5cm、7cm、10cm | 14,134円~ |
『エイプマンパッド』は、厚みが5cm、7cm、10cmと3種類ある薄型マットレスです。
トッパーとして使用する場合には、5cmもしくは7cmを選び、現在のマットレスの上に重ねる事で寝心地を改善する事が出来ます。
密度が30Dと値段が耐久性と値段のバランスが取れているので、導入しやすくなっています。
布団で寝ると疲れる場合
これまではベッドで寝ていて疲れるケースを取り上げてきましたが、布団で寝ていて疲れが取れない人も多いのではないでしょうか?
厚みをチェック
そんな方は、布団の厚みが不十分な可能性が高いと考えられます。
一般的に敷布団はマットレスよりもクッション性がなく、硬めの寝心地になっています。
寝返りのしやすさだけを考えると硬めの敷布団の方がうちやすいですが、それも程度問題で硬すぎる場合には体が圧迫されて筋肉や筋を痛めてしまいます。
弾力性が高い敷布団であれば大丈夫ですが、安物の敷布団の中には中綿が十分に入っていないために、横になった時に底打ち感を感じるものもあります。
疲れが慢性的になると、仕事のパフォーマンスも落ちてしまい、健康を害する事にもなるので少し良いものを選ぶようにして下さい。
おすすめの敷き布団
サイズ | 敷布団の厚み | 価格 |
シングル~キング | 15cm | 20,369円~ |
ボリューム布団6点セットは、敷布団・掛布団・枕・カバー類が入った布団セットです。
敷布団の素材には綿や羊毛、ポリエステルが多くなっていますが、おすすめは羊毛になります。
放湿性が良いので寝具の中が蒸れにくいですし、羊毛繊維は天然のよじれがあるので、弾力性に富んでいます。
こちらは厚みが15cmのボリューム敷布団があるので、腰痛の方でも安心してご使用する事が出来ます。
疲れるベッドまとめ
ベッドで疲れが抜けない原因には、
- 寝返りがスムーズに出来ない
- 耐圧分散性が低い
- ベッドサイズが不十分
- 寝床内環境が悪い
と言った事が考えられます。
寝返りをしやすいように低反発は避けて、荷重を分散出来るポケットコイルやフランスベッド社製マットレスに買い替えましょう。
またトッパーを重ねる事でも寝心地を改善する事が出来ます。