- 新品のマットレスを開封したらツンとした臭いがする
- ウレタンの臭いは体に悪くないの?
- 何日くらい陰干しすれば臭いが取れる?
新品のマットレス、特にウレタンフォームを使った製品では、開封直後に独特の臭いを感じることがあります。
主な原因として考えられるのは、ウレタンフォームの製造時に使われるアミン系触媒などに由来する臭いと、カバー材・接着剤・包装材などの臭いです。圧縮・密封された商品では、開封直後にこもっていた臭いを強く感じることもあります。
対策の基本は難しくありません。梱包を外す→部屋を換気する→風通しのよい日陰でマットレスに空気を通す、この3つです。臭いが気になる場合は、まず2~3日程度を目安に陰干ししてみましょう。
私はベッドショップオーナーで、睡眠環境・寝具指導士、睡眠・寝具インストラクター、寝具ソムリエの資格を保有しています。この記事では、新品マットレス特有の臭いの原因と、早く臭いを減らす方法、やってはいけない対処法まで解説します。
新品マットレスが臭う主な原因

新品マットレスの臭いは、汗やカビなど長期間使用したマットレスの臭いとは原因が違います。
1.ウレタンフォーム製造時のアミン系触媒など
ウレタンフォームを使用したマットレスで代表的なのが、製造時に使われる触媒などに由来する臭いです。
ウレタンフォームは製造時に触媒や整泡剤などが使用されます。なかでも臭いの主成分として挙げられるのが、第3級アミン類などの触媒です。
製造工程で大部分は揮発しますが、一部がフォーム内部に残り、開封したときに独特の臭いとして感じられることがあります。いわゆる「新品のウレタン臭」と感じる臭いの代表的な原因です。
2.接着剤・カバー材・包装材などの臭い
マットレスはウレタンだけでできているとは限りません。表地、詰め物、接着剤、カバー、包装材など複数の素材が組み合わされています。
ウレタンフォームは細かな気泡が連続した構造で表面積が大きいため、周囲の材料や保管環境の臭いを吸着し、開封後に放散することがあります。
そのため、新品マットレスの臭いをすべて「ウレタンそのものの臭い」と考えるのも正確ではありません。
3.圧縮・密封梱包で臭いがこもっている
圧縮マットレスは、コンパクトに圧縮したうえでビニールなどに密封して配送される商品があります。
密閉された状態では臭いが外へ逃げにくいため、開封した瞬間に強く感じることがあります。開封後に空気へさらすことで、徐々に弱くなるケースが一般的です。
ホルムアルデヒドが原因の場合もある?
家具や繊維製品などではホルムアルデヒドが問題になることがあり、厚生労働省は室内濃度指針値を100μg/m³(0.08ppm)としています。
ただし、新品のウレタンマットレスが臭うからといって、その臭いの原因がホルムアルデヒドだと判断することはできません。ウレタンフォームの新品臭ではアミン系触媒などが代表的な原因で、マットレス全体では接着剤・カバー材・包装材など複数の要因が考えられます。
臭いだけで特定の化学物質や濃度を判定することはできないため、「臭い=ホルムアルデヒド」と決めつけないことが大切です。
新品マットレスの臭いは体に悪い?
ウレタンフォームに残るアミン系触媒などの臭いは、通常は開封後に徐々に薄れていきます。
ただし、臭いの感じ方には個人差があります。強い臭いで気分が悪くなる、目・鼻・喉に刺激を感じる、頭痛や吐き気などの体調変化がある場合は、我慢して使用しないでください。
その場合は、いったん使用を中止して部屋を十分に換気し、マットレスを風通しのよい日陰で陰干しします。それでも強い臭いや体調への影響が続く場合は、販売店・メーカーへ相談してください。
「新品の臭いだから絶対に安全」「臭いがあるから危険」のどちらにも一律には判断せず、商品の状態と使用する人の体調を見ながら対応することが大切です。
新品マットレスの臭いを早く取る4つの方法

新品臭への基本対策は、香りでごまかすことではなく、臭いの原因となる揮発成分を空気中へ逃がすことです。
1.梱包材をすべて外す
まずビニールなどの梱包材を外し、マットレス全体を空気に触れさせます。
圧縮マットレスの場合は、開封後に本来の厚みまで復元する時間が必要な商品もあります。復元時間や使用開始時期については、商品の取扱説明書を確認してください。
取り外したビニールや梱包材にも臭いが残っていることがあるため、寝室に置きっぱなしにしないようにしましょう。
2.窓を開けて部屋を換気する
新品マットレスの臭い対策では、部屋の換気が基本です。
可能であれば窓を2か所開けるなど、空気の入口と出口を作ります。窓が1か所しかない場合や風が弱い場合は、換気扇やサーキュレーターを使って空気を動かすと効率的です。
サーキュレーターはマットレスに風が通るように使用し、同時に室内の空気を外へ逃がすようにするとよいでしょう。
3.風通しのよい日陰に立てかける
臭いが強い場合は、可能であればマットレスを壁などに立てかけ、表面だけでなく側面や裏面にも空気を通します。
目安として、まず2~3日程度、風通しのよい日陰で空気にさらしてみてください。ウレタンフォームの臭いは、この程度の陰干しでかなり軽減する場合があります。
ただし商品や保管期間、室温、換気状態、臭いへの感じ方によって差があり、数日以上かかることもあります。必ず2~3日で完全に無臭になるという意味ではありません。
4.まだ臭うなら換気・陰干しを続ける
2~3日で完全に取れなくても、少しずつ弱くなっているのであれば、換気と陰干しを続けて様子を見ます。
商品によっては臭いが気にならなくなるまで数日以上かかることもあります。一方、十分に換気・陰干ししても異常に強い臭いが続く、刺激を感じて使用できない場合は、販売店やメーカーへ相談してください。
陰干し・お手入れがしやすいマットレスの例
新品の臭いを減らすには、換気と陰干しがしやすいマットレスを選ぶことも一つの方法です。セラピスで選べる商品の例を紹介します。どの商品も、開封後は上の方法で換気と陰干しをしてください。サイズや仕様は商品ページで確認してください。
3つ折り高反発マットレス(洗えるカバー)
三つ折りにして立てておけるので、陰干しや湿気対策がしやすいマットレスです。カバーは着脱しやすく、洗濯できます(中のマットレス本体は洗えません)。圧縮ロールでお届けします。
CospaSleep 三つ折りマットレス敷布団
三つ折りで、通気性を高めたトリプルエアスルー構造のマットレスです。洗えるカバーと抗菌防臭仕様で、敷きっぱなしにせず立てて陰干ししやすい作りです(本体のウレタンは洗えません)。
CospaSleep スプリングマットレス
3Dサイドメッシュで高い通気性をうたう、スプリングタイプのマットレスです。ニット生地は抗菌・防臭仕様で、圧縮ロールでお届けします。開梱後は、この記事の方法で空気を通してください。
直射日光で干すのは避ける
「臭いを早く飛ばしたいから、強い日差しに当てた方がよいのでは?」と思うかもしれませんが、ウレタンマットレスは基本的に風通しのよい場所での陰干しがおすすめです。
ウレタンは紫外線などによって変色・劣化する性質があります。またマットレスにはウレタン以外の生地や接着部分なども使われています。
天日干しの可否は商品によって異なるため、取扱説明書で明確に認められていない場合は、直射日光を避けて陰干ししてください。
新品の臭いに消臭スプレーは必要?
新品マットレス特有のウレタン臭を取るために、消臭スプレーを大量に吹きかける必要はありません。
マットレス内部へ余分な水分が入ると乾燥しにくくなり、素材によってはシミやカビの原因になる可能性があります。
また、香りの強い製品を使用すると、新品臭と香料が混ざって余計に不快に感じることもあります。
新品臭なら「消臭スプレー」より「換気+陰干し+送風」を優先してください。
どうしても消臭用品を使いたい場合は、そのマットレスの取扱説明書で使用できるか確認してからにしましょう。
新品マットレスの臭い対策でやらない方がいいこと
- 直射日光に長時間当てる:ウレタンなどの素材を傷める可能性がある
- 消臭スプレーを大量にかける:水分が残り、シミやカビにつながる可能性がある
- ドライヤーなどで高温を当て続ける:熱によって素材を傷める可能性がある
- 洗えないマットレスを水洗いする:内部まで乾かず、カビの原因になりやすい
- 臭いを我慢して使い続ける:気分が悪くなる場合は使用を中止する
使用後に出てきた臭いは別の原因を考える
ここまで説明したのは、購入直後の新品マットレスに感じる臭いです。
数か月・数年使ってから臭いが出てきた場合は、寝汗や皮脂、湿気、カビなど別の原因を考える必要があります。その場合はシーツやベッドパッドの洗濯、マットレスの掃除・乾燥など、原因に合わせたお手入れを行います。
新品を開封した直後の臭いなら、重曹や洗剤を使うより、まず換気と陰干しを優先してください。
マットレスを選び直すときは「マットレス・寝具の一覧」から探せます。
新品マットレスの臭いでよくある質問
新品マットレスの臭いは何日くらいで取れる?
まず2~3日程度の陰干しを目安にしてください。この程度でかなり軽減する場合がありますが、商品や環境によっては数日以上かかります。少しずつ弱くなっているなら換気と陰干しを続け、異常に強い臭いが続く場合は販売店へ相談しましょう。
ウレタンマットレスの新品臭は何が原因?
代表的なのは、製造時に使われるアミン系触媒などに由来する臭いです。そのほか、接着剤、カバー材、包装材などの臭いをウレタンが吸着し、開封後に放散している場合もあります。
圧縮マットレスは開封直後に臭いやすい?
密閉された状態から一気に開放するため、開封直後はこもっていた臭いを強く感じる場合があります。梱包を外し、部屋を換気しながらマットレス全体に空気を通してください。
新品マットレスに消臭スプレーを使ってもいい?
新品臭には、まず換気と陰干しをおすすめします。大量のスプレーは余分な水分を与えるため避け、使用する場合はそのマットレスで使用可能か取扱説明書を確認してください。
臭いが残ったまま寝ても大丈夫?
わずかな新品臭が残っているだけなら徐々に薄れることがありますが、不快なほど強いなら無理に寝る必要はありません。特に目・鼻・喉への刺激、頭痛、吐き気、気分の悪さなどを感じる場合は使用を中止し、換気・陰干ししてください。
新品マットレスの臭いまとめ
- ウレタンフォームの新品臭ではアミン系触媒などに由来する臭いが代表的
- 接着剤・カバー材・包装材などの臭いが影響する場合もある
- 圧縮・密封梱包では開封直後に臭いを強く感じることがある
- 基本対策は「換気+陰干し+必要ならサーキュレーター」
- 陰干しはまず2~3日程度を目安にする
- 直射日光・大量の消臭スプレー・高温での乾燥は避ける
- 異常に強い臭いや刺激が続く場合は販売店・メーカーへ相談する
新品マットレスの臭いが気になると不安になりますが、ウレタンフォームを使用した製品では、製造時の触媒などに由来する臭いを開封直後に感じることがあります。
まずは焦って薬剤を使わず、梱包を外して十分に換気し、風通しのよい日陰で2~3日程度空気にさらしてみてください。これが新品マットレスの臭い対策の基本です。



