- 子供がベッドから落ちないか不安
- 子供に梯子の上り下りをさせるのが心配
- 地震対策がしっかりしている二段ベッドを教えて欲しい
二段ベッドは兄弟姉妹がいるご家庭には便利ですが、安全性に疑問を持っている親御さんはたくさんいらっしゃいます。
私はベッドショップオーナーで、睡眠・寝具指導士の資格も持っていますが、二段ベッドは使用年齢を守り事故防止の観点から選ぶのが大切だと考えています。
そこでこの記事では、実際に発生した二段ベッドの事故情報から、耐震機能に渡るまで全てをご紹介します。
この記事を読めば、大切な子供達を守る方法が分かりますよ。
二段ベッドの使用年齢
二段ベッドを安全に使用するためには、使用年齢を守る事が大切です。
SGマークが「二段ベッド及びロフトベッドの安全基準」で年齢制限として示しているのが、
- 二段ベッドの適用範囲は2歳以上(高さ800㎜以上のベッド)
- 4歳未満の者は使用しない事(部材間の隙間が90㎜を超える物に限る)
- 6歳未満の者はベッドの下段に寝かせる事(就寝部が800㎜以上に限る)
- 10歳未満の者は使用しない事(就寝部が1200㎜以上に限る)
の4つです。
とはいえ、現在の二段ベッドでは上段が1200mm未満が多く、部材間の隙間も90mmがほとんどです。
そのため、一般的な二段ベッドの使用開始年齢は
- 下段:2歳から
- 上段:6歳から
です。
これを守らないと、事故を起こした際の補償に響く可能性もあるので注意しましょう。
二段ベッドで起こっている主な事故と予防方法
二段ベッドで起こっている主な事故は、
- 寝返りによる転落事故
- 寝ぼけて梯子から落下する事故
- 床板が抜ける(底抜け)
- ネジの緩みによる倒壊
の4つです。
1.寝返りによる転落事故
二段ベッドは、小学生高学年くらいになると柵をこえて転落する事故は減少します。
しかし、小さい頃は寝相が悪く体重も軽いために、大人よりも広範囲で身体が動いてしまうので転落しやすくなっています。
活発な子供ほどふざけて柵を乗り越えたりとリスクが増えますし、テンションが上がればあがるほど怪我をしやすくなります。
二段ベッドの転落事故としては、女優の中村江里子さんの二女が田舎体験キャンプ中にはしゃいででんぐり返しをした時に転落して怪我をした事がニュースとなりました。
(中村江里子、次女が2段ベッドから転落 「でんぐり返し、気を付けて」と呼びかけ)
こういった転落事故は一般家庭でも十分起こりうる事です。
転落事故の予防方法
二段ベッドの転落事故防止のために上段に柵が設けてありますが、高めの柵を選ぶ事で寝返りによる転落事故は防げます。
目安として柵の高さが25cm以上の二段ベッドを選びましょう。
また二段ベッドの片側を壁に付けておく事で、落下する危険性を減らせます。
大きいサイズの寝具は使用しない
子供用マットレス【EVA】エヴァジュニア二段ベッドでも使える薄型マットレス
サイズ | 厚み | 価格 |
ショート丈セミシングル~レギュラー丈シングル | 7cm~11cm | 10,434円~ |
二段ベッドに付属マットレスが付いていない時は、市販のマットレスや敷布団を準備しますが、ベッドサイズに比べて大きい寝具は使用しないで下さい。
大きすぎる寝具はサイドガードに乗り上げるため、子供が寝返りをした際に乗り越える可能性が高くなります。
また寝具の厚みも大切で、10cm以下のマットレスや敷布団を使う事でサイドガードが相対的に低くなるのを防げます。
2.寝ぼけて梯子から落下する事故
二段ベッドでは、夜中トイレに行く時などに梯子から足を踏み外す事故もあります。
また、お母さんが上段のベッドメイキングをしている時に足が滑って転んだり、梯子のフックとサイドフレームの間に手や腕が挟まり怪我をする事もあります。
落下事故の防止方法
梯子からの落下を防ぐには、ステップ幅が広くベッドに固定されているものを選ぶことが大切です。
また、夜中明かりをつけられるように、ライト付きの二段ベッドを選ぶのも良いでしょう。
万が一落下しても軽症で済むように、フローリングにクッション性が高いコルクマットやジョイントマットを敷いておくと安心です。
3.床板が抜ける(底抜け)
床板が破損したり底抜けする事故は、上段で複数人が遊んだ事が原因となるケースが多いようです。
子供が友達と二段ベッドで遊んでいる時や、大きな縦揺れ地震が発生した際に振動で子供が跳ね上がって床板が壊れる事例があります。
ベッドには耐荷重がありますが、それを大幅に超えると床板が割れたり抜けたりして怪我をします。
底抜けの防止方法
二段ベッドは比較的丈夫ですが、子供が成長した時の事も考えて耐荷重は150kg以上の商品がおすすめです。
また床板は、湿気やカビが原因で木材自体の強度が落ちる事もあります。
1カ月に1回は寝具を取り除き、床板をしっかり乾燥させましょう。
JIS規格
床板が外れて落下する事故を防ぐには、JIS規格に合格してある商品を選ぶ事も一つです。
JIS規格では二段ベッドの
- 垂直荷重
- 水平荷重
- はしご取付け部の強さ
と言った項目をチェックしてあり、通常使用であれば床板が抜けたり、壊れるリスクはほとんどありません。(S 1104より引用)
SGマーク
また、一般財団法人製品安全協会の検査基準をクリアしている「SGマーク」付きの二段ベッドもあります。
内容は、
- 外観及び構造
- 各部の寸法
- 全体の強度
- 前後わく及び手すりの強度
- はしご及びはしご取り付け部の強度
と言った項目のチェックです。(二段ベッド及びロフトベッドのSG基準より引用)
こちらは、万が一欠陥があって人身損害が発生して、欠陥と人身損害の間に因果関係があると認められる場合には、最高一億円までの賠償措置を講じてくれます。
4.ネジの緩みによる倒壊
消費者庁には、平成 27 年1月から令和元年 12 月までの5年間に組立式家具に関する事故の情報が 147 件寄せられています。
昔は家具屋さんが来て、組み立ててくれる事が多かったですが、最近は自分で組み立てる二段ベッドが主流となっています。
そのため、ネジやボルトなどしっかり締められていないケースや、点検不足による倒壊事故が多発しています。
ネジの緩みの防止方法
ネジの緩みによる倒壊を防止するには、
- 組立て前にネジが揃っているか、傷やひび割れがないか確認する
- 説明書を読み完成図を確認する
- 組立て時は作業スペースを広く確保する
- 組立て中は指が挟まれないように注意
- 定期的にネジの増し締めを行う
と言った点に注意しましょう。
二段ベッドは使用中の振動で少しずつネジが緩んできます。
そのため最低でも1年に1回はネジの緩みがないか確認して、必要であれば増し締めをして下さい。
地震による事故
地震大国の日本において、震災への対策は必要不可欠です。
特に二段ベッドの上段は、地震の時に揺れを感じやすくなります。
普通のベッドより横揺れが大きく、大地震の際には上段と下段のフレームのつなぎ目が外れてしまう可能性もあります。
また非常に稀ですが、揺れにより長方形になっているベッドがひし形や平行四辺形へと曲がってしまいバランスが崩れ横転するケースもあります。
そのため万が一の時に備えて、耐震機能が備わっている二段ベッドを選びましょう。
>>二段ベッドの地震から子供を守る【耐震機能・ネジの緩みをチェック!】
地震による事故の防止方法
地震に強い二段ベッドの選び方としては、
- 耐震機能
- 耐荷重
- 木製
の3点に注目しましょう。
耐震機能
二段ベッドの上段と下段を接続している箇所には地震の揺れに対応できるように、金属製の「ダボ」を入れます。
このダボが2個付いていたり、金具で二重に止めている二段ベッドであれば地震の縦揺れ・横揺れに強いと言えます。
耐荷重
地震の縦揺れが起きると、床板に想像以上の荷重がかかる事になります。
通常耐荷重は100㎏あれば問題ないですが、地震など不測の事態に備えて150㎏の二段ベッドを選ぶのも良いでしょう。
木製
二段ベッドには、木製とパイプ製がありますが、地震対策には木製の方が揺れに強いのでおすすめです。
パイプ製を使う場合には、耐荷重が高いものを選ぶだけでなく、フレーム本数が多いものや太いものを選びましょう。
ご自身で出来る地震対策
二段ベッドが地震で転倒やひしゃげないようにするために、二段ベッドの柱部分と壁をL字金具で固定するのがおすすめです。
家具転倒防止用のL字金具を使えば、強い揺れでもベッドが変形するリスクを減少出来ます。
L字金具以外には転倒防止ワイヤーも市販されているので、ご家庭に合った地震対策を行いましょう。
またより強固に固定するためには、ベッドの脚と床を固定する方法もあります。
こちらは、粘着シートを敷くだけなので、賃貸マンションでも大丈夫です。
事故に強いおすすめ二段ベッド
あらゆる事故に強いおすすめの二段ベッドとして、「Whenwill ウェンウィル」があります。
サイドガード
サイズ | 耐荷重 | 価格 |
セミシングル×2台 | 150kg | 123,126円~ |
まず転落防止のために、梯子部分以外をサイドガードで固めていますし、下段にもサイドガードを取り付けられます。
梯子
梯子は固定されているので、手や腕を挟み込むこともありません。
耐荷重
耐荷重は上段、下段共に150㎏と頑丈設計ですし、第三者検査機関でJIS規格に則った項目を検査しています。
他にも【Whentoss】ウェントスや、Whentass ウェンタスも事故防止にはおすすめの二段ベッドです。
二段ベッドの事故まとめ
二段ベッドを安全に使うためには、
- 下段:2歳以上
- 上段:6歳以上
の使用年齢を守りましょう。
二段ベッドは上段からの「転落事故」や梯子から足を滑らせる「落下事故」、床板が抜け落ちる「底抜け」、ネジの緩みによる「倒壊」などがありますが、JIS規格やSGマークなど安全性の高いベッドを選ぶとある程度予防出来ます。
また、地震時でも怪我をしないように耐震機能付きや、耐荷重が高い二段ベッドを選びましょう。